一方、元女子プロレスラーでタレントの北斗晶は、乳がん検診と婦人科検診を毎年、欠かさなかったにもかかわらず、進行度・ステージ2bの乳がんを発症、右乳房の全摘出手術を行っている。
早期発見できるものとそうでないもの
北斗はブログで、うつぶせになったとき、右胸にチクッとする痛みを感じたことが、病気を疑うきっかけだったと伝えている。
乳房の左右の位置が違って見え、痛みを伴ったことから、毎年秋に行っていた検診を待たずに初夏に病院を訪れたという。
植田さんも乳がんを経験している。北斗と同じく、検診で発見したのではなく、乳房のへこみに自分で気づいたことでわかったと話す。
「乳がんを発症する2年前に、マンモグラフィーとエコー検査を行いましたが、異常は見つかりませんでした。その後、自分で異常に気づき、検査を受けたところがんとわかり、乳房の全摘出手術を受けました」
こうした検査や健診は、早期発見に本当につながっているのだろうか?
「乳がんに関しては、私を含めて自力で見つける人もいますが、予後がいいといわれる大腸がん、乳がん、子宮がん、前立腺がんなどは検診によって早期発見することができます。そうなれば早期治療にもつながります」
乳がんの検診受診率は全国平均の36・9%からして、決して高いとはいえない数字だ。
ただ、検診で早期発見が期待できる病気と、そうでない病気がある。今年1月に亡くなったプロ野球・楽天球団副会長の星野仙一さんは、すい臓がんの発覚後、およそ1年半にわたる闘病生活を送っていた。すい臓がんは、発見しにくいがんの代表的なものとして知られている。
「すい臓は、肺や胃に隠れた臓器のため、エックス線やエコー検査だけではがんの発見が難しく、予後も悪いがんといわれています。川島なお美さんの命を奪った胆管がんも、発見しにくいがんのひとつです」