やはり、進学や就職という時期が、本人にとってターニングポイントとなりうることは多くあり、韓国の場合はこのターニングポイントが「兵役」にあたります。
韓国には基本的に高校受験はなく地元の高校に通います。だからこそ生きてきた中で初めて行われる受験となる大学受験が、日本以上に白熱化しています。
そこで、多くの者がどこの大学に行くか、どこの地域に住むか、最終的にはどこの会社に就職するかなど自身の未来について考えます。大学受験をしなかったアイドルにはこの機会が兵役で訪れます。そこで初めて同世代の人たちの世界に触れ、アイドルを辞めると決断する者もいます。約2年というあまりにも与えられた時間が長いためいろんなことを深く考えるそうです。
また、韓国には兵役というタイムリミットがあるからこそ、日本以上に若い子たちに価値を見出しています。私の知人は18歳なのに年齢を理由にオーディションを受けさせてもらえませんでした。
自身の人生を深く考えた結果、卒業という道を選択するアイドルが日本にも韓国にもいるということは面白い点です。深く考えれば考えるほどアイドルをやっている場合ではない、と思えてしまうこの「アイドル」という仕事はじゃあ一体何なのか、と考えさせられます。
今年は働かせてもらえるが、来年の保証はない契約社員だからこそ来る不安なのかもしれません、あまりにも若い子にばかり価値を見出しすぎる風潮がそうさせているのかもしれません。
やりきったから卒業するというアイドルは少ないように感じます。常に年齢は重なっていき、事務所にはどんどん若い子が入ってくる状況において、“自身に価値がなくなる不安”と毎日アイドルは戦っています。
辞めていくアイドルには根性がないとか、みんなで東京ドームに立つ夢はどうしたの!? 的な叱咤激励をしだすファンは必ず出てきますが、ヲタク側だって、永遠にヲタクをしてくれるわけでもないので、推しが卒業するからと言って責めることはできませんし、案外イーブンな関係なのかもしれません。
私は韓国人の推しに、僕の夢は「あなたがいつかアイドルも兵役も終えて30代後半くらいの時に、一緒に韓国のカフェでゆっくりカフェオレを飲むことです」と伝えたのですが、「そんな小さいことが夢なの!?」と笑われてしまいました。「ぼくに赤ちゃんいたらどうする? 一緒にカフェオレ飲むー?」とも言われました。なんでこっちは独身設定なんや!(笑)
まぁ、きっと推しが卒業してもおじさんになっても、私の中ではずっとアイドルなのかもしれません。
最後に。昨年11月から始まったこの連載ですが、本日をもって終了となります。
私が今の推しを1年以上本気で追って得た経験なども、こうして読んでいただけて、推しに使い込んだ時間やお金も無駄ではなかったと報われました(笑)
『なぜ、人は血の繋がりがない他人であるアイドルに熱狂するのか』という、私の卒論のテーマでもあるこの謎を今後も追い続けたいと思います。
少なくはなると思いますが、4月からも私は変わらずアイドルの現場にいると思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
これまで読んでいただき、ありがとうございました!
<プロフィール>
あくにゃん◎1995年生まれ。ジャニーズやK-POPをはじめとした、日韓のアイドルの応援が日々の生きがい。
日々のオタ活で感じたことを、独自の観点&独特な表現で言葉にするツイートも必見!
Twitter/ @akunyan621