次々と連絡が途絶える
人材センターから連絡を受けた際、仕事で県外にいた伯父は、自宅にいる妻の無職・岩倉孝子さん(69)に、正知さん宅の様子を見に行くように頼んだ。孝子さんは姉の坂口訓子さん(72)と連れ立って向かい、連絡が途絶えたのはその直後。
心配した伯父は、近所に住む元同僚の後藤広幸さん(47)に安否確認を頼んだが、今度は後藤さんとも連絡がつかなくなる。
伯父から連絡を受けて同宅に駆けつけた県警日置署の警察官は同日午後3時45分ごろ、男女3人の遺体を発見した。孝子さん、訓子さん、後藤さんの3人だった。
殺人の疑いで7日に逮捕された知広容疑者の供述により、事件現場の民家から北東に約400メートル離れた空き地から、性別不明の2遺体が発見された。のちに身元が、久子さん、正知さんと判明。
「久子さんに、仕事をしないことなどをなじられ、カッとなり犯行に及んだと供述しています」(全国紙社会部記者)
容疑者の両親は、20年以上前に離婚している。
「母親が“私が立派に育てます”といって、知広とその妹を連れて出ていったんですよ。隣町に住んでいたようですけどね」
親族の女性がそう明かす。
同級生らによると、中学生のころの知広容疑者はおとなしい性格だった。同級生の多くが「印象に残っていない」と口をそろえるほど。成績は優秀だったという。ただ、カッとなりやすい一面を隠し持っていたようだ。
「息子が言うには“イワ”と呼ばれていて、とにかくキレやすかったそうです。1度キレると、とことん相手をたたきのめすんですって」(同級生の母親)
高校中退後、2001年7月に、陸上自衛隊に入隊した。所属は同県霧島市にある国分駐屯地第12普通科連隊だったが、翌年7月に「個人的な理由」(西部方面総監部)で辞めている。