日本百貨店協会が発表する全国百貨店売上高をみると、昨年1年間でデパート全体に占めるインバウンド客(免税売上高)は、4・8%。ところが、高島屋・大阪店は17%だった。

「外国人スタッフを大量に採用し、中国語、韓国語、英語のパンフレットや関西国際空港までの時刻表を配布したりして、ギリギリまで買い物ができることをアピールしています」(磯山さん、以下同)

 ほかの百貨店や、道頓堀や心斎橋の商店街なども、外国人であふれる人気スポットに。大阪観光局によると、’17 年の来阪外国人旅行客は1100万人。日本全体では2869万人だから、なんと3人に1人が大阪を訪ねた計算になる。

大きな理由は、間違いなくLCC(格安航空会社)便の増加です。関空にLCC専用のターミナルができて発着数が大幅に増えた。大阪ミナミの難波駅から空港まで約40分ですからね。

 大阪は東京などに比べるとビジネスホテルも安い。買い物もしやすいし、圧倒的にリピーターが多くなったことも理由でしょう」

 このインバウンド効果がなかったら日本のデパートはマイナスのままだった、と磯山さんは断言する。

「今後、外国人観光客は4000万人になるだろうと予想されます。五輪後もそれは続くでしょう。そうしたニーズに地方都市のデパートも対応するときが来ています」

 転換が迫られるいま、苦境にあえぐ地方や老舗のデパートは、どんな取り組みを行っているのか?

 まずは、話題の催事で集客アップをはかる、大阪『阪急うめだ本店』の挑戦に迫る。