人間と動物が幸せになるために
やがて、ぶさおに転機が訪れる。丹さんがインスタグラムなどのSNSでぶさおの話を発信したところ想像以上の好反応だった。写真を「ぶさマイド」として1枚500円で販売し、'15年からは2000円のカレンダーも作り、今年からはコースターも作るようになった。
こうした売り上げは「ぶさお基金」として環境保全・動物愛護活動などに生かすようにしている。
以前、霞ヶ浦でバス釣りをしていた丹さんは、10数年前から環境汚染された湖の掃除ボランティアをしている関係でNPO法人「水辺基盤協会」へ寄付したり、「PLUSわんにゃんプロジェクト」「鉾田70ワン」といった多頭飼育崩壊問題などに取り組む活動を支援したり、避妊・去勢手術を推進したり、猫の保護や犬の躾をしたり、動物の啓発活動もするようになった。
「すべては人間と動物が幸せになるために。活動のきっかけはぶさおです。猫を飼うときは野良猫はダメだとか、大人の猫はなつかないと一般的によく言われます。しかし、ボクとぶさおのケースのように、仲よくなれることもあるんです。
おもしろい、可愛いだけではなく、ぶさおがそういう常識を打ち破る好例になればいいと思っています」
(フリーライター山嵜信明と週刊女性取材班)
〈PROFILE〉
やまさき・のぶあき 1959年、佐賀県生まれ。大学卒業後、業界新聞社、編集プロダクションなどを経て、'94年からフリーライター。事件・事故取材を中心にスポーツ、芸能、動物などさまざまな分野で執筆している