前出・捜査関係者の話だ。
「6月9日午後6時ごろ、捜索中の警察官が遺体を発見しました。11日に司法解剖をしましたが、死後2週間が経過していたため死因は不明です」
生活実態のあった実行犯の一人
捜査本部が行方を追っていた主犯格の情報は、6月18日に新潟県警からもたらされた。
「監禁容疑で逮捕状を取って追跡捜査をしていた男が、15日に新潟市内で死亡しているのを確認した。自殺だった」(前出・捜査関係者)
「芥川容疑者の本籍がこちらにあるだけで、生活実態はない。だから全然情報がない」
と嘆くのは民放社会部記者。
「以前は高知県に住み、通信機器販売業を営んでいたが、現在は東京が本拠地とみられている。詐欺未遂容疑など前科5犯という情報もあるが、事件の真相を含めて、何ひとつ明らかにせずに自殺した」(同前)
実行犯の1人、鈴木容疑者は、名古屋市内にしっかりとした生活実態があった。市営地下鉄鶴舞線原駅から徒歩5分に位置するマンション。
「ワンルーム、家賃は3万円くらい」(同じマンションの住人)。ひとり暮らしだった。出身は同県北設楽郡東栄町、人口約3000人の小さな町だ。
姉と弟の3人きょうだいで、複雑な家庭だったという。
同級生の父親が覚えていた。
「明るくていい子だった。うちの息子は小学5年のときに転校してきて、なかなか仲間に入れなかったんだが、充が気にかけて仲間に入れてくれた。よう面倒を見てくれる子だったよ。
体格も大きかったし、ガキ大将って感じだった。何しろ野球が好きだった。東栄町からプロ野球選手が出ていてね。あんな選手になるんだって話していた。推薦で高校にも進学し、甲子園に行ったら招待するからって言ってくれていたんだけど……」
肩をいからすように歩きいきがっていたが同時に、小心者であることを周囲に見抜かれていた中学時代。
プロへの夢ついえた後は転々と転がるような人生に。魚市場で働いていたり豊橋ではホストをしていたこともあったという。