開幕の2か月前に監督に就任した西野朗。
今大会を現地で取材するサッカージャーナリストによると、
「試合後の監督は、記者会見に出席し、選手が取材を受けるエリアに顔を出すことはあまりないのですが、コロンビア戦の後はそのエリアに来て、15分ほど取材に対応してくれました。
代表チームの広報担当者も驚いていましたね。うれしくてそこまで来ちゃったという感じだったと思うのですが、喜びをあらわにするわけではなく表情は変わらずクールでした」
長嶋茂雄さんのような
彼が代表監督として奇跡を起こしたのはこれが初めてではない。'96年のアトランタ五輪で、当時世界最強だったブラジル代表を初戦で撃破し“マイアミの奇跡”を演出していたのだ。
しかし、その後の試合が振るわず予選敗退。初戦で強豪国を倒した今大会は、アトランタ五輪と同じ図式ともいえる。西野監督は自らその過去に触れ、記者をフリーズさせていた。
「アトランタ五輪も取材しているベテラン記者が“アトランタと同じく、初戦で強いチームに勝ちましたね”と話すと、西野監督は、“同じ轍を踏まないようにしたいです”って返したんです。これが実は彼なりの自虐的な冗談であり、笑ってほしいところだったみたいで(苦笑)。
普段どおりのクールな表情で淡々と話すから全然そう思えない。話を振ったベテラン記者しか笑いを理解していなかったですね」(同・サッカージャーナリスト)