まずは、当然、見た目ですよね。彼らは男性でありながら、物腰も柔らかく、中性的な役どころに、視聴者が違和感なく触れることができる。さらに、トランスジェンダーやジェンダーフリーなどの内面性や細部を演じられる、演技力が重要です。

 もちろん、彼らは中性的な役に特化しているわけでは全くありません。いろんな役柄を演じる中のひとつですが、このような役柄をこなせる若手俳優は、ごくわずか。彼らはみな『うまい』といっていいと思います」

 他の要素としては、声も大切だと、前出のライターは言う。

「志尊君や千葉君は、少しだけ高めで甘い声なのがまた、よりそういう役に合うのだと思います。『海月姫』の瀬戸君は、やや太めの声で男性的な部分を少し感じましたが、ドラマの雰囲気に合わせるのが、とても上手かったと思います」

 今後も、このような中性的な役どころを求められる作品が増えていきそうだが、彼ら以外に可能性を感じるのは誰だろうか。前出のライターは言う。

「やはりジャニーズ系には期待したいところ。若手では、ルックスや物腰、声質などから、King & Princeの岩橋玄樹君なんかに可能性を感じます。あとは、まだまだ未知数の演技力に期待したいですね」

 いかにもオネエ的でない、自然な演技で魅せることができる若手俳優。

 需要はますます高まりそうだが、条件を満たす俳優は限られそう。彼らへのオファーが増えていきそうだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>