《2017年の全日本フィギュアスケート選手権にテレビの仕事でナビゲーターとして立ち合いました。それぞれの立場、それぞれの目標を持って戦う選手たちの姿を見て感動し、「この緊張感の中で戦いたい、滑りたい」と思うようになりました》
満足ではなかったラストシーズン
7月1日、スポーツキャスターなどで活躍する高橋大輔が、フィギュアスケートの現役選手として復帰することを公式ホームページで発表した。ソチ五輪シーズン以来、実に4年ぶりの復帰となる。
「'14年のソチ五輪前後に右足のケガが相次ぎ、同シーズンの全日本選手権では5位。ソチ五輪では6位入賞を果たしたものの、世界選手権は欠場して休養に。その後、10月に引退を発表したため、最後の試合はソチ五輪でした。満足のいくラストシーズンではなかったと言えます」
こう語るのはフィギュアスケート解説者の佐野稔さん。安藤美姫も'13年に長女を出産後に1年間休養し、そこから全日本選手権への出場を果たしているが、高橋も目標にしている全日本選手権は、実はそう簡単に出られる大会ではない。
「まず東北・北海道、関東、東京、中部、近畿、中四国・九州の6ブロックからなる地方予選があります。各ブロックの上位者が、地方予選を3ブロックずつ統合した東日本ブロック、西日本ブロック大会に出場、その上位者が全日本選手権に出場できるのです」(佐野さん、以下同)
羽生結弦や宇野昌磨をはじめ私たちがテレビで見かける選手は、前年度の成績が考慮されるため、全日本選手権に出場するまでの予選大会が免除されている。シード選手ではない高橋は、地方予選から勝ち上がっていかなければならない。
「前年度の記録をもとに、各ブロックで予選を通過できる枠が決まっています。西日本は圧倒的に枠が多いので、高橋くんは出やすいでしょう」