映画サイト記者は、そう指摘しため息を漏らす。

 対照的に、ハツラツだったのは、トム・クルーズだ。ファンと記念撮影を楽しんだり、サインに応じたり、日本の酷暑にも嫌な顔一つ見せず、まさに神対応。

 撮影1日目に右足首を骨折し、全治9か月の診断を受けましたが、わずか1か月で撮影に復帰する超人的な回復を見せたと伝えられています。そのことを確認すると、

「僕は映画作りに人生をささげているから、お客さんのために全力を尽くす主義。お客さんには映画を見るだけではなく、体験してもらいたいと思っているから、どんな映画でもスタントを使わないで、自分でチャレンジを続けているんだよ」

 と、身体を張る撮影について語りました。その表情は、ハリウッドのトップスターの自信に満ちあふれていました。

 なぜ全治9か月と診断されたものが、1か月で復帰できたのか? そんなのあり得るの? という疑惑さえも、映画の宣伝材料のエピソードとして昇華されていきます。

 タフなトムに、やわな取材陣。そんな構図が酷暑の中で浮き彫りになった取材現場でした。

<取材・文/間垣ジェーン美瑠>