芸能界でも「出すぎた杭は打たれない」
実は、この言葉は芸能界にぴったり当てはまる。
「年齢もいった大物芸人や俳優の言動に対し、異議を唱える人は少ないし、不適切な発言をした場合もお咎めなしであることが多いです。“あの人なら何を言っても許される”と言われている人もいます。
ハリウッドにまで進出した大物俳優が不倫しても“彼だったらいいんじゃない”という人もいますし。高齢の芸能人の不倫・熱愛が報じられたりしたときは、逆に“その歳で恋愛なんて、すごい”と感心されたりね」(前出・スポーツ紙記者)
かつて数々の女優と浮名を流した火野正平は、“女たらし”と非難されることもあったが、ひるむことなく、その道を驀進し続けた。結果、今ではモテ男の象徴とまでなっている。
また'02年、歌舞伎役者の中村鴈治郎(現・坂田藤十郎)と京都の舞子の密会がフライデーされたことがある。
当時、鴈治郎は70歳、舞妓は19歳。実に51歳の年齢差だけでも驚くべきことだが、雁次郎は舞妓がホテルの部屋を後にする際、彼女に向かってバスローブの前をはだけて、局部を露出したのだった。しかも、それが週刊誌に掲載されてしまう。
このニュースはお茶の間を騒がせたが、妻の扇千景(当時・国土交通相)は「彼は芸人ですから」と前置きした後で、「女性にモテない夫なんてつまらない」とコメント。
本人は会見に集まった記者たちに向かって「(自分が)元気だという事を証明して下さって! アッハッハッハ」と豪快に笑い、「老け込んだら駄目。日本の男性たちもみんな頑張ってほしいね」と余裕たっぷりのコメントを残した。こちらも彼に対する非難の声はまったく上がらず、逆に“アッパレ”と評する人もいたほどだった。
剛力・前澤がどこまで突き抜けることができるのか、改めて興味が湧いてきた人も多いのでは。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。