そこに、知らない女性から電話がかかってきたという。
「たぶん盗んだ携帯電話で、容疑者はその女性に電話をかけたんだと思います。その女性から“泥棒に入られたでしょ?”と言われたので、何で知っているのかと思ったら、“松本と昔、一緒に暮らしたことがあります”“2月に出所したばかり”と言っていました。
今回に関しても“またやりやがった”とか言ってましたよ。今はその男はどこにいるのか? と聞いたら“家がないからわからない”って」
逮捕の一報が被害男性に届いたのは9月7日の朝8時57分。着信履歴が、携帯電話に残っていた。
「犯人が捕まったことは聞いたけど、それ以外は何もないね。何も戻ってきてないよ。電話も盗まれて登録しておいた電話番号がわからなくなって、それがいちばん困るんだよ。まあ、俺が鍵をかけなかったのが悪いんだけどね」
男性は長年、犬を飼っており人が近寄れば必ず吠えて教えてくれたため、鍵をかけなくても大丈夫と思っていた。しかし、その愛犬は昨年10月、死んでしまったという。
「周囲からは“ちゃんと鍵をかけないとダメだよ”って改めて言われました。盗られるものなんてないから、逆に来てくれよ、なんて冗談言ってたんだよ。それがまさか本当に来るなんて……」
と、男性はがっくりと肩を落とす。
被害金額は、
「1回目に盗まれたときは5万5000円で2回目は6万9000円。俺は大工の親方をやっていて、現場で道具とか材料が足りないと買い足しに行くことがあるから、いつも5万~6万円は財布に入れている。充電式のドライバーもないから、たぶん盗まれた。
俺はほんと、ガクンときたよ。今はもう年で、仕事も少ないから、生活がやっとなのに……。クレジットカードも止めないといけないから焦るし、再発行は同じ番号はダメなんですよ。だから(暗証番号を変更するのにも)苦労しましたよ」
松本容疑者とは全く面識はないという。
同容疑者は取り調べに対し、容疑を認めているというが、なぜピンクのだてメガネと派手なシャツで犯行に及んだのか。個性的なスタイルで怪盗を気取るような泥棒の美学でもあったのか、それとも変装したつもりだったのか。
「変装のつもりではないでしょう。そのあたりはこれからの捜査になります。まぁ、好んでいたというのはあるんでしょうね。好みでなければ、だてメガネとかはかけませんからね」(前出・捜査関係者)
どんな格好をしても泥棒は泥棒にすぎない。