なぜ、彼女がそうしなくてはならなかったのか。それはF社の株式配分にあった。
「父が生きているときに、F社の株は子どもたちに3000株ずつ渡されていたんです。
つまり、父の所有分である7000株を法定相続通りにA子さんに半分の3500株。残りを3人で1160株ずつ分けて、それぞれの所有ぶんに加えると、兄弟3人の株式が過半数に達するんです」
A子さんがもともと持っていた4000株に相続分を足しても7500株。一方の兄弟分は3人合わせて9000株あり、相続分を合わせると1万2500株で、F社を経営するだけでなく、音楽事務所も大株主として影響力を示せたはずなのだ。
明らかに違法
「しかも、F社は昨年10月25日に株主総会を行っていることになっているんですが、僕は父の生前から株主なのに総会に呼ばれていないんです。招集通知も来ていないんですよ。次男は出席したようなのですが、長男も呼ばれていない。
つまりA子さんは株主2人だけで総会を勝手に開いて、彼女が代表取締役に就いたんです。しかも、任期を大幅に延期することも決めた。これは明らかに違法ですよ」
そのうえ、A子さんは現在、自身の妹2人を音楽事務所とF社へ、それぞれの役員にすることを画策しているという。
「彼女の妹たちは、父にまったく関係ない人間ですよ。要は会社を自分で独り占めしたいだけなんです。父が元気なころから、有名な“●●と△△の曲は私のものにして”って脅すように食い下がることもあったそうです。だから、結婚する前から父の財産のことしか頭になかったんじゃないですかね」
そして、邪魔していたのは相続だけではない。昌晃さんが生きていたころから、何かと父子関係を邪魔してきたのが、交際中のA子さんだった。
「芸能界に入ったあとも、父は親子共演をOKしてくれたのにも関わらず、A子さんが事務所としてはダメということで、結局は共演NGになってしまう。つまり、彼女のせいで僕は父から遠ざけられていた部分もあるんです」
そして彼は、彼女のこんな一面も見てきたという。
「二十歳のときに名古屋から東京に戻って、6、7年くらい港区の実家に住んでいたんです。僕は地下のスタジオに寝泊まりしていたんですけど、真夜中にコンコンってパジャマ一枚で父がきて、“上でA子が暴れているから、勇気助けてくれ”って。何度か止めに行きましたよ。
付き合っているときからそんなことがあったんですから、結婚してからもいろいろあったと思いますよ。実際に悪い噂も聞いていますから」