気になる音楽業界の動き

 レコード会社関係者は「紅白は当確です。これだけ盛り上がり、一体感を持てる楽曲を、NHKが見逃せるはずがない」と余裕の構えです。

 さて、問題はレコード大賞での取り扱いです。原曲が外国曲だけに、

「実は、実行委員会預かりで宙ぶらりんの状態になっています」

 そう明かすのは業界関係者です。

 通常、レコード大賞を取るためには金賞枠10曲に入らなければなりません。それを選考委員の先生方が選ぶのですが、今回は日本作曲家協会とTBS側に預けられています。

 作曲家サイドは『日本』がレコード大賞に付く以上、日本の曲でなければならない、という立場で、TBSサイドは今年一番の話題曲ですから何とか入れたいという思惑とのことです。

 幼稚園の運動会でも子どもたちが躍るほどの大ヒット。12月30日のレコード大賞の受賞式に、

「話題賞や企画賞など何らかの賞を出して出場してもらうことは既定路線ですが、もし金賞に入ることができれば、日本の音楽業界にとっては一大事件になりますよ」

 と前出・業界関係者もほくそえみます。

 音楽が売れない時代に、爆発的に話題になった『U.S.A.』。その取り扱いをめぐって、音楽業界がどんな動きを見せるのでしょうか。少しばかり心躍る年末になってきました。

<取材・文/間垣ジェーン美瑠>