ライブのドタキャンや遅刻以上に厄介なのが、テレビの生番組。
覚えている人も多いだろう。
彗星のように現れた、ロシアの女性デュオ『t.A.T.u.』は、各地でコンサートのドタキャン騒動を起こし、お騒がせデュオとして話題になった。
'03年に初来日を果たしたが、直前にイギリス公演をドタキャンしていたため、日本公演、あるいは来日そのものがドタキャンされるのではないかと、ファンや関係者をヤキモキさせた。
無事、来日はしたものの、不安は的中。
『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演したのだが、冒頭に姿を見せたあと、いなくなってしまったのだ。
あとになって、彼女たちが語ったところによれば、ドタキャンはすべて、プロデューサーのイワン・シャポヴァロフの指示だったという。
“お騒がせ”というイメージを拡大させるための戦略で、いまでいう“炎上商法”だったのだろう。
沢田に限らず、日本では妊娠が発覚して舞台や映画、ドラマを降板する女優もいれば、老朽化したテレビ局の控室が汚いからといって「あの局には2度と行かない」と言う、女性シンガーもいた。
しかし、ファンの存在はありがたいものだ。けっして彼ら・彼女たちを見捨てたりはしない。それは頂点を極めた彼らの“芸”が本物であり、ファンの心をつかんで離さないからなのだがーー。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。