事件当夜、萩川容疑者は、ナースステーションの面会カードに記入せずに病室へと向かった。
「午後8時ごろ、何を言っているのかはわかりませんが女性の大声が聞こえたため看護師が病室に行くと萩川容疑者がいたので、面会カードに記入してほしいと促したそうです。萩川容疑者は面会カードに記入し、荷物を持って1階に下りていったと聞いています」
と同病院管理課担当者。
「午後8時10分ごろに看護補助者が功さんの病室をうかがうと、寝具が乱れていたので直そうとしたところ、出血と床に血のついた果物ナイフを見つけたため当直医を呼んだという流れです」
犯行の10分後に自首。初めからそのつもりだったとしか思えない最短時間だ。前出・出口教授がその“ワケ”を説明する。
「殺人は、人を殺すところまでが計画性ではなく、殺害した後に逃げられるかどうかということまで考えるのが計画性なのです。今回は自首が前提で犯行が行われています。つまり、自首するところまでが計画なのです」
「殺すつもりで刺した」
自宅はJR東北本線鹿島台駅から徒歩10分ほど。2階建ての一軒家で、すぐ裏には一家が経営するホームセンターが隣接している。
「とってもいいご家族ですよ。みなさん、すごく優しくて温厚で腰が低い。未貴ちゃんは4人姉妹の末っ子でね。ただあんまり話したこともなければ見たこともないのよ」
と近所の60代の女性。
50代の小売店女性店主は、
「未貴さんがたまに店に出て手伝っているのを見かけました。髪はストレートで地味というか清楚な感じ。かわいらしい顔をしていてね。
姉妹はとっても仲がよくてキャッキャ言いながら、うちにも買い物に来ていました。あの家庭でこんな事件が起きるなんてびっくりしています」