「当初、(PTAの会費を管轄している)教頭先生に、PTAの会費がどのように使われているのか教えてください、と言いました。帳簿の中から出てきたのが、大量の領収書だったんです」
怪しい領収書が次々と
大阪府門真市の中学校に子どもを通わせている保護者Aさん(40代、女性)は昨年4月、PTA団体を相手取り損害賠償請求裁判を起こした。大量の領収書の中に、焼き肉店や居酒屋などでの飲酒料金や納得のいかないものが含まれていたからだ。
「これ、すごくないですか(21万6345円)。しかも領収書のあて名がないんです。焼き肉店のものですよ。こんなもの、どこからか拾ってきて申請することだって可能でしょう。帳簿では9345円しかPTA会費からは落としていませんと書いていますが」
というのがAさんの主張。
確かに金額の大きさ、さらには「クーポンお手ごろセット飲み放題付き50人」という内訳から見れば、学校の先生やPTA役員などが集まってPTA会費を私的に流用し、焼き肉店で飲食を楽しんだように受け止めることもできる。
門真市教育委員会の担当者も、
「当該中学に対し、こういうずさんな領収書の取り方は誤解を受けますよという助言はしっかりしました」
と認めたうえで、釈明する。
「焼き肉については、まず21万円すべてPTA会費から出ているわけではありません。ちゃんと会費として1人4000円を集めたと聞いています。キャンセルした人の分と追加注文分をPTA会費で出してもらったとのことです。
その足が出た分だけちゃんと領収書を取って(帳簿に)貼っていれば誤解を招かなかったはずですが、みんなで使った分の総額で領収書を取ってしまい、それを貼ってしまったという経緯です」
PTA会費からの出費は9345円。教職員とPTA運営委員会が集まる年に1度の大規模な懇親会。忙しい時間を割いて集まってもらったというねぎらいなどに鑑み、教頭とPTA役員3人が話し合い、補填に至ったという。
前出・教育委員会担当者も
「(領収書の取り方が)ちゃんとしていれば誤解を生むこともなかったですけどね」
と不手際を認めた。