「ただのダンサーには惜しい」
Wanna Oneの絶対的センターとして抜群のアイドル性を発揮しているカン・ダニエルだが、「もともとはアイドル歌手にはまったく関心がなかった」とイ・ガンヒョン先生は明かす。
「ダニエル君は僕のチーム、マックス・クルーに入って、一緒に活動したいと言ってくれていました。いわゆるアイドル的なものは気恥ずかしく思っていて、“カッコいいダンサーになりたい”と言っていました。でも、高校に入り、少年から青年になってくるとビジュアルがどんどん整ってきて、ただのダンサーにしておくには惜しいなと思ったんです」
その気持ちを確信させたのが、芸能事務所から受けた提案だった。
「アカデミーでは授業の一環として生徒たちの映像を撮っているんですが、ダニエル君の映像を大手芸能事務所の方に見せたところ、“いい線をいっている。一度オーディションを受けてみてはどうか”という提案をもらったんです」
イ・ガンヒョン先生とともにソウルへと上京し、オーディションを受けたダニエル。
「それを機に彼も“歌手の道も、挑戦してみる価値があるのかな”と少し前向きになってくれたので、こう説得したんです。“もし私にこんな機会が巡ってきたなら、絶対にやってみる。普通の人には巡ってこないチャンスだ”と。
自分が若かった頃、ダンサーだというプライドにとらわれ過ぎていたのは、もったいないことだったと後悔したんです。だから挑戦してみろと話したんです」
先生の説得を受け入れたダニエルは、釜山に帰郷後、これまでのようにブレイクダンスだけではなく、異なるジャンルのダンスや、ボーカルのレッスンを受けることにし、歌手になるべく練習を重ねた。