今年4月、妻の朝丘雪路さん死去の際に、会見に応じた津川雅彦さん

 マキノ雅彦監督がメガホンを取った映画『寝ずの番』は、芸人の死を扱った抱腹絶倒の、艶っぽいエピソード満載の作品でした。

 マキノ雅彦監督は、俳優の津川雅彦さんの監督名です。津川さんは生前、

「葬式は祭りだ。華やかにやろう」

 と、周囲に伝えていたそうです。

 その趣旨を十分にくみ取ったうえで先日、今年8月に78歳で亡くなった俳優の津川雅彦さんと、今年4月に82歳で亡くなった女優の朝丘雪路さん夫妻の『合同葬 お別れの会』が、青山葬儀所で営まれました。

津川家に新たな顔ぶれ

 祭壇には、二人の遺影が並び、安倍首相や黒柳徹子ら1100人の弔問客が、最後の別れを惜しみました。映画『寝ずの番』ほどではありませんでしたが、笑いあり、暴露話ありの“祭り”のようなお別れの会でした。

 親族の参列者の中にひとり、新たな顔ぶれがありました。長女で女優の真由子(44)と今年7月、津川さんが亡くなる約1か月前に結婚した夫で俳優の友山裕之助(45)でした。

 関係者が言います。

「2人は10年来の交際でしたが、津川さんは結婚に反対していました。でも、4月に朝丘さんが亡くなり、自分の体調も思わしくないと感じた津川さんが許し、7月に婿に入る形で結婚しました。一途を貫き通した裕之助さんの執念のたまものだったと思います」

 真由子は「人生の舞台の千秋楽を、ぜひ大向こうと拍手で送ってください」と参列者に呼びかけ、時代を築いた両親の旅立ちを舞台に見立てました。そしてそこに、自分の伴侶を共演させるという演出。 

 終わりよければすべてよし、という夫婦像を垣間見た、すがすがしい葬儀でした。

<取材・文/間垣ジェーン美瑠>