「台本もあるのですが、アドリブも自由に入れ込んだりと、楽しまれている印象を受けます。普段とは違って顔もみせないナレーションのみの出演なので、解放感がすごいんでしょう。視者も“堤真一ってこんなキャラだったんだ……”と素顔をのぞける側面もあります。
本人は11月2日の『あさイチ』(NHK)に出演したときに、動物が好きか? と聞かれ、“そうでもないです、特に癒されることはない”と言ってましたが、あれは照れ隠しでしょうね(笑)。動物愛が伝わってきますよ」(NHK関係者)
ドキュメンタリー番組で俳優がナレーションを担当することはよくあることだが、たいていは“真面目”な語り口が多い。この“ハジけた”ナレーションの先鞭をつけたのは、同じくNHK『サラメシ』の中井貴一。
働くサラリーマンたちのランチタイムに焦点を当てるという番組だが、中井貴一のテンションの高い軽快なナレーションもあり、'11年からのレギュラー放送が開始されて以来、人気番組となっている。
それにしても、最近NHKは、決めゼリフ「ボーっと生きてんじゃねえよ!」が流行語大賞にノミネートされた『チコちゃんに叱られる!』など、ユニークな番組をスマッシュヒットさせている。その秘密はというと、
「企画力もさるものながら、失敗を恐れずユニークな番組作りができるのは、NHKの資金力のおかげでしょうね。スポンサーの口出しもないから、自由にできるのが強みです。加えて、民放では2〜30分番組に大物をナレーショのみで起用するだなんてそんな贅沢なことはできませんし、やろうという発想もないでしょうね。
出る側も、NHKのオファーだったら断る人はいないでしょうから、今後も大物俳優がNHKのバラエティ色の強いナレーションに抜擢される可能性も大きいです」(前出・民放テレビ局関係者)
中井、堤に続くのは誰!?
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。