いずれは女優になりたい
「わたし」役は、大塚千弘さん、平野綾さんとのトリプルキャストとなる。
「最初は“こんなにすごいおふたりと!”と焦りました。でも冷静に考えたら、お稽古中はおふたりがやっているところをずーっと見ていられる。何にも知らないゼロ状態の私にとって、それはとっても贅沢なことなんです。
しかも大塚さんと平野さんがまったく違うカラーをお持ちなので、その両方から学ばせていただけるのは本当に恵まれていると思います」
乃木坂46に入った当初から「いずれは女優になりたい」という気持ちがあったそう。
「歌と踊りが好きで、小さいころからテレビっ子だったので演技にも興味がありました。でも、小さいころはどちらかというとミュージカルは苦手だったんです。
でも、先にミュージカル界で活躍しているいくちゃん(同じ乃木坂46の生田絵梨花さん)が出ている舞台を見に行ったら“本当に楽しい”って思えて。“いつか、もっと実力がついたときにミュージカルができればな”と思うようになりました。
やはりミュージカルって華やかですし、生の迫力ってものすごいですし、何よりいくちゃんがすごくキラキラしていて。見れば、女の子だったら誰でも憧れる世界ですよね」
これまでにも女優経験は何度もあるが、特に話題となったのが、萩尾望都さんと野田秀樹さんの脚本を、中屋敷法仁さんが演出した『半神』。身体のつながった双子の姉妹のうち、醜いシュラ役を熱演した。
「脚本が難解で、とにかく振り回されました。しかも舞台が八百屋(傾斜のあるセット)で肉体的にもつらく、初めて会った妹役の藤間爽子ちゃんと心を通わせて演技をしなければいけなくて、心理的にも難しかったです。
本番中まで中屋敷さんと爽子ちゃんと夜な夜な“あれはどうだ”“シュラ的にはこうです”とか話し合いながらやっていたので、本当に濃い日々でしたね」