すると数日後、彼女から連絡がきました。
「正太郎さんは、私と一緒にいろんな場所に出かけたり、美味しいものを食べたり、きれいな景色を見るのは楽しい。でも、そういうことには興味がないっていうんです」
10年連れ添った夫婦ならまだしも、新婚同士。これでは、子どもも授からないでしょう。
美咲さんは、ため息交じりに言いました。
「元夫は浮気を繰り返す男性で、それが原因で離婚しました。だけど、正太郎さんとこのまま結婚したら、今度は私が浮気しそうです。プロポーズは受けたけれどまだお互いの親にも会わせていないし、婚約を解消しようか悩んでいます」
キスから火がついた男
さゆみさん(35歳、仮名)は、悟さん(35歳、仮名)とお見合い後、2か月の交際を経て、真剣交際に入りました。真剣交際に入ることを決意した時に、私にこんなことを言っていました。
「デートで『何が食べたいですか』と聞かれて、私が『美味しいピザが食べたい』『和食が食べたい』とその都度言うと、ネットでググって一生懸命にお店を探してくれたり、私が、『絶叫系の乗り物が好き』といえば、遊園地に行ってジェットコースターに乗ってくれたり、私のことを第一に考えてくれる人なんです。
それに同い年だから、これまで流行っていたものや見てきたドラマや聴いてきた音楽が一緒で、すごく気が合う。きっと結婚したら仲のいい親友みたいな夫婦になれる気がするんです」
こうして、結婚を前提の真剣交際に入り、デートの帰り際、彼の車の中で初めてのキスをしました。すると、そこから悟さんの“男の欲求”に火がついてしまいました。
「35歳って、いい年をした大人じゃないですか。10代のカップルでもあるまいし、私は、人が大勢いるところでイチャつくのは恥ずかしいんです。
だけど、彼はどこでもおかまいなし。街中や電車の中でも、顔や身体をすり寄せてくるし、キスしてくるし、耳元で、『早く2人だけになれるところに行こうよ』とか囁いてくるし」
さゆみさんは、その度に、周りの目が気になってしまったようです。
「あと、キスの仕方がヘンなんですよ。上唇と下唇で私の唇を挟み込むようにパクッとキスをする。まるで、鯉がエサを食べるみたいに。『そのキスの仕方、ヘンだよ』ともいえないし」
最近は、デートの度にホテルに誘われるので、すっかりシラけてしまったとか。ホテルに行くどころか、真剣交際を終了にすべきかどうかを悩んでいます。