箱根駅伝イロハのイ〜PART2〜
◎山上り&山下り
箱根駅伝を象徴する5区“山上り”。標高差はなんと800m以上。言わずと知れた難コースだ。
「この特殊区間で求められるのはスピード以上に、ガッツ。5区で驚異的な走りをした選手は“山の神”と呼ばれるようになりました」
と、碓井さん。元祖・山の神の今井正人さん('04〜'07年・順大)に次いで、2代目の柏原竜二さん('09〜'12年・東洋大)、3代目の神野大地さん('14 〜'16年・青学大)が誕生した。
6区は反対に“山下り”。
「下りの平均速度は時速25キロメートルにも達します。恐怖心に打ち勝つ度胸。これが何よりも必要です」
◎シード権&予選会
10位以内であれば、翌年の大会に出場できる“シード権”が与えられる。11位以下になると、予選会から戦わなければいけない。
予選会は毎年10月。長らく20キロメートル走だったが、今回からハーフマラソンとなり、距離が延びた。各大学10〜12人が一斉に走り、上位10人の合計タイムを算出。今回は記念大会のため、上位11校が本戦に駒を進めた(通常は上位10校)。
◎関東学生連合
本戦出場がかなわなかった大学の中から、予選会での成績が上位の選手を集めたチーム。オープン参加のためチーム順位はつかないが、個人の記録は認められる。
◎外国人留学生
外国人留学生の起用は、10区間のうち1区間に限ると決められている。
「どの区の起用でもかまいません。今回、外国人留学生がいる大学は拓殖大、日大、東京国際大、国士舘大、山梨学院大の5校。拓大は、ワークナー・デレセ選手(4年)が外国人留学生初の主将を務めています」(碓井さん)
◎エントリー変更
12月10日、各大学の出場選手が16人に絞られる(エントリー)。12月29日には各区間を走る10選手と補欠6人が登録される(区間エントリー)。当日のエントリー変更は、区間登録された選手と補欠選手の入れ替えに限り、4人まで。
「手の内をどこでどう明かすか。戦術の探り合いでもあります」(碓井さん)
◎時間差スタート
復路6区のスタートは、往路のタイム差を守り、順番に走り出す。しかし、10分以上の差がある場合は、10分後に一斉スタート。よって、復路は見た目と本来の順位が違う場合も。
◎繰り上げスタート
1位の選手が中継所を通過してから、決められた時間内(往路の鶴見、戸塚中継所は10分。平塚、小田原中継所は15分。復路はすべて20分)に走者が到着できない場合、強制的にスタートさせられる。ただし失格ではないので、タイム差はきちんと計算される。
「繰り上げになると、大会本部が用意した“白襷”をかけて走ります。屈辱です。でも往路と復路のゴールとなる5区と10区だけは、母校の襷の使用が許可されています」(和田さん)