自分を裁くことはやめよう
そんな取り組みの中、第1子出産まで3度の流産を経験した加藤。第2子挑戦までのことをこう話す。
加藤「流産したときは“悲しんでいるヒマはない”という思いだけで、がむしゃらに不妊治療に没頭していました」
西川「流産してしまったつらさに浸っていると、次に向かう時間がなくなってしまうと」
加藤「そうです。流産してしまったのも卵子の老化が原因かもしれないし、“何も知らなかった私が悪い”って自分を裁くことしかしていませんでした。
でも、あるときに堰(せき)を切ったように涙がバーッと出てきて。すごく頑張っている身体にお礼も言わずに、責めることばかりだったなと気づいたんです。結果として私は愚かだったかもしれないけど、自分なりに一生懸命やってきたでしょ、って思えたんです」
西川「そうしたら楽になれました?」
加藤「(1度は)授かった赤ちゃんの旅立ちを、私がきちんと悲しんであげないでどうするの? って。悲しいことを受け止めて、ほかの人がなんと言おうとも、これまでの自分の人生を自分自身で裁くことはやめようと。そうしたら、すごく楽になれました」
西川「自分を裁かない、というのは今、妊活で悩んでいる方にすごくいいアドバイスになりますね。自分を追い込んでしまう方は多いですから。
加藤さんのように、自分自身をもう1回、見つめ直すという気持ちも大切だと思います」
加藤「第2子にトライしたとき、また流産してしまう怖さはなかったのかと言われたのですが、私、流産によって人の愛情とか痛みとかを学ばせていただくきっかけをもらったと思っているんです。
高齢出産したので、長男とは一緒にいてあげる時間が若くして出産した方と比べて短いと思います。できればもうひとり、力を合わせられるきょうだいがいれば、という気持ちもあり、46歳で挑戦したのですが、流産を経験したからこそ、チャレンジできたのかもしれません」
西川「2回の妊活を振り返って、改めて思うことはありますか?」
加藤「不妊治療していく中で自分の思いどおりにならず、つらくて怒りや嫉妬といった感情が自分の中から湧き上がってくるときがあると思います。その感情を無視しないで向き合うことが大切だなと。私、それができずにずいぶん苛(さいな)まれましたから……。
すべてを受け止め、そんな自分を愛することが必要だと思います」
かとう・たかこ◎女優。『温泉へ行こう』シリーズ、『花より男子』『科捜研の女』などテレビドラマや映画、舞台で活躍。著書『大人の授かりBOOK~焦りをひと呼吸に変える がんばりすぎないコツ~』(ワニブックス刊)が発売中。
にしかわ・よしのぶ◎西川婦人科内科クリニック院長。医学博士。医療法人西恵会理事、日本産科婦人科学会専門医、日本産婦人科内視鏡学会評議員、大阪産婦人科医会評議員ほか。