「堀井動物園に動物を飼育する資格はありません。動物を使い捨てにしている状態です。飼育知識がなくても珍しい動物がいたら欲しくなって購入したりするただのコレクターです」
と訴えるのは長年同園の問題を指摘してきた動物保護団体PEACEの東さちこ代表。
お騒がせ動物園の実態
同園は滋賀県守山市にある個人経営の動物園。キリンやシマウマ、チンパンジー、人気TVアニメで注目されるようになったサーバルキャットやハシビロコウなどの大型動物ほか、ウサギや犬、猫、は虫類、鳥類、魚類など800種類1000匹以上を飼育している。
移動動物園や同市のショッピングセンター内で「めっちゃさわれる動物園(1月15日閉園予定)」を展開する創業30年以上の老舗動物園だ。
そんな同園が昨年8月、人に危害を加える恐れがあるため都道府県への届け出が必要なアビシニアコロブス(サル)とハクトウワシを無許可で飼育していた動物愛護法違反の疑いで在宅起訴され、地元で注目の的に。
大津地裁は昨年12月28日、30万円の罰金を言い渡した。同園園長の堀井嘉智被告(55)は判決を不服とし、閉廷後に報道陣の取材に対し、「控訴する」と言い切った。
実は同園は“お騒がせ動物園”として地元住民の間では有名だという。
「飼育場の火災や動物の脱走、悪臭などで近隣住民とトラブルになってきました」(守山市の50代男性)
取材を進めると裁判よりもめっちゃヤバイ、園の実態が次々に明らかになった。
同園の動物は県内数か所で飼育されている。琵琶湖のほとりにある第2飼育場を訪ねると、塀の外からキリンやラマなどの大型動物が確認できた。
飼育場のため内部は一般公開されておらず、プレハブの倉庫のような建物が並んでいるほか、動物の金切り声が響いていた。
「堀井動物園の問題点は劣悪な飼育環境とずさんな動物管理。アニマルホーダー(多頭飼い飼育の崩壊)やネグレクト(飼育放棄)にも近い状態だと考えられます」
と前出・東代表は語る。