1月5日より開幕するサッカー日本代表のアジアカップ。4年に1度、開催されるこの大会はワールドカップに次ぐ重要な大会となる。ここに“新エース”として臨む選手がいる。南野拓実、23歳。
「技術もあるし、フィジカルも、スピードもある。ストライカーとしての条件をすべて兼ね備えている選手ですね」
そう話すのは、10代のころから南野を取材しているサッカーライターの安藤隆人氏。技術はもちろんのこと、南野の素晴らしさはそれだけではないという。
「“俺が点をとる”ということに対してものすごく貪欲だったり、失敗してもめげない。そういったメンタル的な部分は、持っている能力を最大限に生かすために重要な部分ですが、それがある選手ですね」(安藤氏、以下同)
メンタルの強さは10代から。当時所属していたセレッソ大阪の試合で南野がシュートをはずした際、パスをもらえなかったチームメートの外国人選手が南野に対して激高すると、南野は強い口調で反論。当時、彼は19歳だった。
「“うっさいんじゃ、ボケ!”と言ったと物議を醸しましたが、言わないほうがおかしいなって思ってます。日本の選手って言われて黙っている選手が多いんですよ。あそこまで闘志むき出しで反論したことは、海外でもやっていけるなって思った瞬間であり、うれしかったですね」
南野自身、のちに安藤氏の取材に対し、「あの事件ありましたね(笑)。海外では普通だと思います」と話している。そんなピッチ上では激しい南野だが、イケメンの素顔はというと、
「サッカーのときはとげとげしいというか、鬼気迫って他を寄せつけないような感じですけど、ピッチを離れたらかわいいですよ。
ザルツブルクの街を一緒に歩いたときも、“お腹すいてませんか?”とか、名所に連れて行ってくれてザルツブルクのよさを教えてくれたり。気さくな大阪のあんちゃんという感じですよ」
南野は代表チームでは、本田圭佑らに代わる“新ビッグ3”と呼ばれ、現在所属するオーストリアのレッドブル・ザルツブルクでは、昨年ヨーロッパリーグの若手ベストイレブンに選出されるほどのブレイクを見せている。
「本人も言っていましたが、親善試合でブレイクしたにすぎないんですよね。本人としては“ビッグ3”という言われ方は好きじゃない。厳しい言い方をすると、親善試合で結果を出すことは、日本代表の真の仕事ではないんです。
ワールドカップの最終予選と本戦で日本を勝たせること。それがすべてなんですけど、その次にくるのがアジアカップ。アジアカップで、もしダメだったら、“なんだよ、親善試合だけかよ”って言われますから。彼としても真価を問われる場という覚悟で臨むんじゃないかと思います」
年明けからの真のブレイクに期待大!