そうして、ほとんどの部屋ではお正月気分を切り替え、2日から稽古がスタート。まさに猪突猛進! だが、初場所からの2019年相撲界、どうなっていくんだろう? と期待も高まる。

キーワードは「ライバル」

 思えば2018年は幕内優勝が初場所から順に栃ノ心、鶴竜、鶴竜、御嶽海、白鵬、貴景勝と横綱の優勝は3回、大関以下の優勝は3回。新しい時代の幕開け? 世代交代? という声が聞こえるようになった年だった。

 とはいえ、優勝後に大関に昇進した栃ノ心は足指のケガに泣いて、思うように実力を発揮できずにいるし、御嶽海は大関へ一歩がなかなか届かない状態。「期待の若手」の呼び声が高い朝乃山も、九州場所では残念ながら負け越してしまった。

2018年冬巡業の御嶽海(筆者撮影)
2018年冬巡業の御嶽海(筆者撮影)
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 そんな今年、キーワードになるのは「ライバル」だ。ライバルの存在が大きく飛躍させていくんじゃないか? と思う。

 もちろん、アスリートが成長するにはどの競技でもライバルの存在は欠かせない。共に競い、切磋琢磨し合うことでさらなる力をつけ、成長できる。

 大相撲の世界でもライバルの存在が常に土俵を盛り上げてきた。横綱・大鵬と柏戸、北の湖と輪島など、一時代を築いた人たちには常にライバルの存在があった。

 そして今年最も注目すべきライバルたちは、昨年の九州場所で優勝した貴景勝と、そのライバル・阿武咲(おうのしょう)だろう。

 阿武咲はケガで2018年前半は休場~十両に陥落していたが、幕内に復活してきてからは以前よりずっと落ち着いた大人の雰囲気をまとって、九州場所では11勝4敗の敢闘賞受賞と活躍。

 2人は小学校、中学校の時代から勝敗を競ったライバルで、雑誌で対談をしたり、ツイッターで阿武咲が貴景勝を、共に上を目指すライバルと書いていたこともある。

 実力はもちろん、2人からは気負わず虎視眈々と頂点を目指す気持ちの強さを感じる。2019年の相撲界を担う若手ライバルの筆頭は、この1996年生まれの22歳コンビだろうと期待している。