小兵三羽ガラス
十両に目を向けると、照強(てるつよし)、炎鵬(えんほう)、翔猿(とびざる)の、小兵力士三羽ガラスがいる。
3人は昨年の九州場所前半を大きく沸かしたけれど、小兵力士は体力をキープするのが難しい……の定説通り、後半になって疲れが出て、残念ながら失速してしまった。それでも3人は小さい身体を逆に生かして、毎日、面白い相撲を取って沸かせる!
中でも十両筆頭に番付を上げてきた照強は、稽古とトレーニングでガチムチに作ってきているなぁ~とわかる身体と、いつも取り組みの前夜に考えるという様々な技で魅せる! 天井まで届きそうな勢いで塩をザパ~ンと大きく高く撒く、そのドーンといこうぜ的な気の強さが、実に気持ちいい。土俵に上がって取組直前に見せる獰猛な顔つきもゾクゾクする。
翔猿は同じく十両力士・英乃海の弟。動きがサルっぽくて申年生まれだから、そのしこ名がついたと言われている。足の運びを見ると、ビデオを早回ししてるかのように動く動く! 運動神経が抜群にいいんだなぁと惚れ惚れする。
そして炎鵬はアイドル的可愛さでスー女の人気は既に抜群。王子様、という言葉がぴったりだけど、本人は王子と呼ばれるのが嫌いなんだそう。
その逸話からもわかるように、可愛いルックスとは裏腹の勝気さを持ち、日ごろの熱心なイメージトレーニングで培った技の豊富さで、炎鵬の土俵は毎回、大いに沸く。今年も面白い相撲を見せてくれそうだ。
十両小兵三羽ガラス、技を競い合って、そのまま幕内に3人揃って上がってさらに賑わせてほしい!
そして2018年の相撲界で大きな話題を集めたデビュー組の2人、昭和の大横綱・大鵬の孫の納谷と、朝青龍の甥っ子・豊昇龍(ほうしょうりゅう)も、2019年にさらなる飛躍が期待される。
2人とも互いをライバルと認めつつも、初場所新番付で納谷は幕下60枚目、豊昇龍は幕下21枚目と、やや差がついてきた。この幕下ティーンエイジ世代には、納谷と埼玉栄高校の同級生で実力はピカイチな琴手計(ことてばかり/幕下48枚目)や、同じく同級生で眼力もハンパない塚原(幕下39枚目)もいる。
2019年は4人揃って20歳を迎えることになり期待も高まるが、実は、さらにここにもう一人、気になる存在はいる。