──海外での活動でいえば、昨年、ドイツのアート・ファッションマガジンの『032c』の表紙に登場し、局部を手で隠した過激ショットを披露しましたが、これが「ワイセツだ」「セクハラ」とプチ炎上したのも記憶に新しいです。
辛酸「これは露出するのが“下半身”というのがネックになっているのかもしれません。田中みな実が『an・an』で“肘ブラ”を披露するのに悩んだとか、そんなエピソードをはるかに超える写真ですよね。“ドイツ”であったりこの雑誌のコンセプト、“コンテンポラリーカルチャーマガジン”といったカッコいい響きも水原さんの出演欲を刺激したのではないでしょうか」
──そんななか、アメリカの映画評論家TC Candlerによるランキング『世界で最も美しい顔100人』に選出された水原さんが、ランキングが主観に基づいて決められていることをフォロワーから知り、《えー!もしそれが事実だったら、とても失礼だね。美の概念なんて みんな違うのに》と発言し、「たまにはいいこと言う」と称賛される一幕もありました。
「これまで何度も炎上してきたからか、ちょっとでもいいことを言うとイメージが良くなるということはありますよね。不良がちょっとした優しさを見せただけで好感度があがるのと同じです。今後、ハリーと本当に交際して誰もが認めるカリスマになれば、例えいったん世界的炎上が起こったとしても、“日本の中では何を言ってもいい存在”にランクアップできるかもしれません。
オノ・ヨーコさんも展示会で自分が絶叫するテープを流したり、お客さんに自分の服を切り刻ませるパフォーマンスをしても、センスがいいアートとして捉えられています。水原さんもあのポジションまでいけば、好きな表現を何でもできるのではないでしょうか」
──ハリーほどの大物を捕まえればそんな地位を獲得できるかも、というわけですね。
辛酸「毎年5月にニューヨークで『VOGUE』により、ファッションの世界的祭典『メットガラ』が開催されます。今年はレディ・ガガらとともにハリー・スタイルズも共同主催者に就任しています。そのイベントは過去に水原さんも参加したことのあるイベント。今年も呼ばれるとなると、ハリーとの対面が実現しそうです……! “世界のキコ”になる日も遠くないのかもしれません。
さらに、今年のテーマは『キャンプについてのノート』だそうで、そのキャンプとは“仰々しく挑発的な振る舞いをする”という意味のフランス語を語源としているそうです。これは、水原さんにバッチリなテーマなんじゃないでしょうか。局部を手で隠しながらハリーにアピールするチャンスかもしれません」
辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。