近隣では祖母と孫の和貴容疑者が一緒に近くのスーパーで買い物する姿も目撃されている。なぜ祖母を殺害しなければならなかったのか。

「不器用なやつでしたね」

 そう振り返るのは中学時代の同級生だ。容疑者の人柄について続ける。

人とのコミュニケーションがあまり得意じゃなくて、自分から何かを主張する感じではなく、人に遮られると何も言えなくなってしまうんです。

 昔からマイナスな発言をよくしていました。“俺はなんでこんな感じなんだろう”って、うまくできないことがあると投げやりになるところはありましたね。顔は悪くないのに、女の子にモテる感じもなかったです。どちらかといえばいじられキャラでした」

 容疑者本人も中学校の卒業文集に、自分の性格を次のように分析し、記している。

《僕は小心者で、人と話をするときどうしても小声になったり、自信がなくなるとすぐ人に頼ったりして、相手を不機嫌にさせてしまいます》

卒業文集には「本当の思い出になったのはこのクラス」と書いている(中学の卒業アルバムより、一部加工)
卒業文集には「本当の思い出になったのはこのクラス」と書いている(中学の卒業アルバムより、一部加工)
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 そんな自身の性質を自覚し、どんどんと自分を責め、追い詰めていった末には……。

「詳細はわからないのですが、就職先でもうまくいかず、自殺未遂をしたと知人から聞きました」(前出・同級生)

 それと符合するように、

「いつからかは不明だが、容疑者は精神疾患を患っていたようだ」(民放報道局記者)

 という情報も。1年ほど前には近所のレンタルビデオ店で働いていたという和貴容疑者。中学時代よりも少しふっくらとしていたという。しかし、逮捕時には無職だった。また、挫けてしまったのか。

「でも、まじめで心優しいやつでした。人の悪口は言わないし、気も遣えました。内側にためるタイプでしたから、おばあちゃんの介護で疲れて無理心中しようとしたのかもしれない。人を殺すなんてことをするようなやつじゃなかったんですよ。ほかの同級生もショックを受けています」(前出・同級生)

 不器用にしか生きられない人間はいる。その行きつく先が、なぜ自分を可愛がってくれた祖母の命を奪うという身勝手な行動だったのか。法廷で容疑者がどんな真相を語るのか、注目される。