最後まで謝罪の言葉はなし
泰尚は前代表の小川泰司さんが'84年に創業、最盛期には、町田市、多摩市で3店舗を営業し、多いときには1億円以上の売り上げも計上していた。
しかし、不適切投稿の前年に泰司さんは死去。純子夫人が経営を引き継ぎ、店舗を1店に縮小し再建をはかる途上で、バイトによるおふざけ投稿が起きたのだ。
「私はまず主犯格の男の子を呼びました。なんでこんなことをしたのか聞いても、下を向いてスマホをいじっていました。もう何を言っても駄目だなと思いましたね」
反省の色がまるでない様子に、純子さんはあきれたという。
投稿の約3か月後、店は閉店に追い込まれ破産。当時の負債は3300万円。ツイッター投稿が破産の引き金になったことは明らかだった。
純子夫人側はアルバイト従業員の多摩大生たちに計1385万円の損害賠償を請求する裁判を起こし、約200万円で和解になったという。
「裁判所がそろそろ和解したらどうかということで、金銭的には要求した10分の1ほどでした。最後まで謝罪は聞けませんでしたね」
店を破産まで追い込んだにもかかわらず、騒動から6年たった今も本人からの謝罪はないという。
'13年にバカ投稿が多発し、6年後の今また復活している理由を渋井さんが解説する。
「'13 年当時は中高生にツイッターが普及したタイミングでした。ツイッター自体は'10年にはありましたが、中高生に流行り始めるタイミングで騒動が起きるんです。そういう意味でいうと、今はちょうどインスタグラムが中高生に普及し、流行っているタイミングですので、このような投稿が相次いでいるのでしょう。
おそらく、次に新しいメディアが中高生に普及するまでは(おバカ投稿は)いったん落ち着くと思いますよ」
「歴史は繰り返す」と、ローマの歴史家クルティウス・ルーフスの言葉があるが、時代を超え、世界が違ってもその真理は的を射ていた。