上田 弁護士ものはあまり興味がなかったんです。でも『グッドワイフ』は夫の疑惑という大きな流れがあって、専業主婦だった常盤演じる主人公が16年ぶりに子どもたちを守るために弁護士に復帰した姿をなんか応援したくなる。
なかはら 唐沢寿明、吉田鋼太郎、滝藤賢一、賀来千香子といったベテランが脇を固めているから、見ていてホッとする。
折原 私は小泉孝太郎推し! 日曜劇場は、ちゃんと作っている。そこがもうひとつのリーガルドラマ『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(フジテレビ系)との違いかな。プロとアマの差ぐらい違う気がする。
なかはら 主演の竹内結子は素敵なんだけど、柔らかすぎる。上司に天海祐希的な顔力のある人がいてほしかった。『メゾン・ド・ポリス』のおじさんを1人貸してって感じかな。
あとバカリズムは事務所のボンボンよりもお茶くみなのに“差し入れの達人”みたいな設定のほうがよかった。
上田 バカリズムが“ボンボンなのに実は有能というキャラ”に見えない。
折原 Perfumeや星野源の『恋』などのミュージックビデオを手がける映像クリエイターが演出しているから映像や音楽はカッコいいのに残念だね。
─今期、話題のドラマといえば、人気俳優・菅田将暉がゴールデン・プライム帯の民放連続ドラマで初めて単独主演を務めている『3年A組−今から皆さんは、人質です−』(日本テレビ系)。卒業までの10日間、菅田演じる主人公の教師が生徒29人を人質にとって学校に立て籠もり最後の授業を行うというショッキングな内容のドラマだ。
折原 上白石萌歌、今田美桜、川栄李奈、片寄涼太をはじめ『ごくせん』のように今後、売れる俳優の宝庫。青田買いする楽しみがあって楽しいな。
なかはら 緊張感を最後まで持続できるのか心配。それと現場の学校に警察は来ているけど、マスコミやネット民があまり来ていないのが少し不自然かなと思う。
上田 確かに少し引っ張りすぎ。映画や2時間ドラマのほうがよかったかなって気もする。マンガは最初の3ページ。ドラマなら最初の10分。魅力的なキャラクター、心がつかまれるようなストーリーがそろってないと、次を見たいと思わない。
折原 最初は『バトル・ロワイアル』か『悪の教典』っぽかったけど、だんだん『金八』になってきたね。
上田 でも、菅田君はどの角度から見てもイケメンだよ!
折原・なかはら 完璧!!
折原 ヒロインの永野芽郁ちゃんも頑張っているけど、朝ドラ『半分、青い。』の鈴愛にしか見えない。狙いかもしれないけど……。
─宮藤官九郎脚本の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は?
上田 登場人物が多く、時代も行ったり来たりしてわかりづらい。大河ドラマは時間軸を追いかけるものと思っていたから。それに古今亭志ん生を演じるビートたけしが何を言っているのかわからない。私は脱落しました。
折原 私もまだ面白いと思えない。
なかはら ほんとですか。確かにクドカンの時間軸を自在に行ったり来たりするドラマの見せ方を事前に把握しておかないとついていけなくなる。
今年は大河ドラマというより、クドカンのドラマ。初回、あんなに登場人物が多いのに、キャラをキチンと整理してみせたのはさすが。わかりづらかったらNHK総合の前にBSでも放送しているので2度見てほしいかな。
ただ、中村勘九郎は舞台映えするけど、テレビドラマの主役向きの顔じゃない。
大河は菅田くん、『3年A組』を勘九郎にチェンジで!
上田 今年の大河は菅田君みたいなイケメンがよかった。
なかはら でも、勘九郎はずっと見ているとバカで一生懸命で赤ちゃんみたいでめっちゃ可愛い。
折原 母性本能をくすぐられるの?
なかはら 大河は菅田君、『3年A組』を勘九郎で見てみたい気も。
折原 朝ドラ『まんぷく』は、最初の1か月とラーメン編だけでよかった。
なかはら 塩軍団とか雑すぎ。15分番組なのに、15人は覚えられません(笑)。
上田 ヒロインは福ちゃん(安藤サクラ)じゃなくて萬平さん(長谷川博己)だよね。発明と逮捕を繰り返して、取り乱してくれればドラマは成立する。
なかはら もう逮捕されちゃうのはやめて。
折原 福ちゃんが一体、いつになったら究極のマネージメント能力を発揮してくれるのか謎だよね。
3人の“今期イチ推し”ドラマは、『トクサツガガガ』(NHK総合)。 特撮オタクだが、そのことを同僚や母親に秘密にしているOL・叶(小芝風花)の心の交流とカミングアウトがテーマ。ピンチになると叶にしか見えない特撮ヒーローが現れ救ってくれるなんともシュールな展開に、ネットなどでも称賛の声が躍っている。