1月の全豪オープンを制し、女子テニスの新女王となった大坂なおみがサーシャ・バインコーチと契約解消してから初の試合で、まさかのストレート負けを喫した。
ドバイ選手権はコーチ不在で臨んだ女王の試合とあって注目度はこれまで以上、さらにバインコーチとの突然の決別に対する憶測も飛び交うなど、外野の雑音も多く大坂にとっては耳障りだったに違いない。
「試合後の会見で大坂は、“(雑音をシャットアウト)できなかった。この試合がその結果”と、涙ながらに答えました。でも、当面の目標は3月6日に開幕するBNPパリバ・オープン。
格付けの低い今回のドバイ選手権で敗れたからといってダメージはほとんどない。でもパリバは四大大会に次ぐプレミア・マンダトリーと呼ばれる格付けの大きな大会で、世界ランク1位の座を維持するためにも、ここでのポイントは落とせないでしょう」(スポーツライター)
ドバイでは日本テニス協会の吉川真司コーチがサポートしたが、3月6日のパリバ・オープンからは新たなコーチと臨みたいと考えているという。
「一部で後任コーチとして浮上しているのは、大坂の父親レオナルド・フランソワ氏」と話すのはスポーツ紙記者だ。
「フランソワ氏は2017年12月末まで、なおみのコーチをしていました。あのセリーナ・ウィリアムズと姉のヴィーナスの父親はテニスの経験はゼロですが世界のトッププレイヤーに育て上げた。
フランソワ氏はそのことに刺激を受け、なおみにテニスを教え始めたんです。そもそも彼女のメンタルを鍛えたのはお父さんですから」(同前)
25日から開幕したドバイ選手権に出場する世界ランク6位の錦織圭も、
「(大坂に)プレッシャーがあるのは間違いない。彼女は素晴らしいメンタルを持っているし、本当に強い。今は時間が必要なのだと思う」
とエールを送った。
「大坂のメンタルを最も理解しているのが、小さい時から彼女にテニスを教えてきたお父さんです。コーチに求められるのは選手のフィジカル面とメンタル面の両方を理解し、最大限の実力を引き出してくれる人です」(スポーツライター)
5月には全仏オープン、そして7月にはウインブルドンが控えている。環境の変化は大きいが、今年グランドスラムを達成できる権利があるのは大坂だけだ。3月にはさらに成長した大坂の姿を見せてくれるだろう。
<取材・文/小窪誠子>