「楽しいドラマが見たいですね」
感情移入できる登場人物が多かったのは、ホームドラマの影響かもしれない。
「『踊る大捜査線』で織田裕二さんが演じた青島って、青臭くて熱くて、周りにいたらめんどくさい(笑)。でも、それがキャラ。キャラが立てば、しゃべったことが名セリフになる。役名を聞けば、顔が思い浮かぶ。おもしろいドラマはみんなそうじゃないですか?
シチュエーションを決めるとキャラが生まれて、その顔かたちが見え、キャストが決まる。キャスト先行だったら雑誌を片っ端から買ってきて、当人が載ったグラビアを切り抜いて、模造紙に貼ってイメージを膨らませていましたね」
現在はBSフジの代表取締役社長。現場に戻りたくならないのかと尋ねると、
「それはもう! 年がら年中、思ってますよ! そういう意味では4月から第2シーズンがスタートする、BSフジの『警視庁捜査資料管理室』は、湾岸署のライバル・勝どき署が舞台。パラレルワールドのドラマです。いつか“湾岸署の刑事部長になる青島って人、知ってる?”なんてセリフが出てきたらおもしろいですね(笑)」
数々の名作が生まれた平成は、間もなく幕を閉じる。この先のドラマに望むこととは?
「いえいえ、何もないですよ。僕はたまたまシチュエーションドラマを多く作ってきた人間ですが、平成の30年で、家族から個人、そして組織のつながりを描く内容に変わっていった気はします。そうですね。楽しいドラマが見たいですね。ゲラゲラ笑うとかではなく。できれば、ラブストーリーで!」
亀山千広さん ◎かめやまちひろ '56年生まれ。'80年フジテレビジョン入社。編成、ドラマ制作などを経て代表取締役社長に就任。現在はBSフジ代表取締役社長
※『警視庁捜査資料管理室 』は4/1スタート(BSフジ・毎週月曜23時〜)