「コカインというのは精神的な疲れと肉体的な疲れが重なっていると払いのけてくれる薬なので、バリバリと働く人たちが手を出す傾向があります。プレッシャーに打ち勝つための薬剤なんでしょう」
コカイン摂取は“勘違い”から始まるという。
「有名人やお金持ちな人ほど引っかかりやすいんです。仕事が増えたせいで、日常生活のリズムを壊しても、仕事の歯車はどんどん回してしまう。そんなとき、コカインを1、2回使ってみて、“すごいイイ”と思ってしまうのです」(日向野院長、以下同)
効き目の個体差がほかの違法薬物より比較的、少なく、つい手離せなくなるのもコカインの特徴だ。
「マリファナは何も効かなかったり、眠くなったりする場合もありますが、コカインは即効性があり、確実に気持ちが高揚します。夜中まで仕事した翌日も摂取すれば朝からスッキリして仕事ができてしまう。その異常な働きぶりから露見するケースが多いです」
日本にはあまり出回っていないといわれているが、
「大半は外国で手に入れてくるようです。いちばん多いのはハワイで、その次がオランダやドイツなど。セレブが集まって大騒ぎするようなイベントで、つい摂取してしまいハマる人が多いようです」
現在、取り調べを受けている瀧容疑者は「20代のころからコカインや大麻を使っていた」と供述。ただ、「使っていない時期もあった」とも話している。
「バンドでデビューする前後にライブハウスに出入りしていたころに薬物を覚えたのでしょう。その後、結婚して、子どもが生まれて、薬物からは遠ざかっていた。だが、年をとってから多忙になったことで、若いころに体験したクスリを思い出して、再び試したら手放せなくなっていたようです」(警察関係者)
彼はどんな罪に問われるのか。弁護士法人・響の西川研一代表弁護士によると、
「営利目的ではなく、コカインの使用の場合の量刑は最大で懲役7年。瀧容疑者の場合は初犯で反省も見せているとなれば、懲役1年から1年6か月、執行猶予3年が妥当かと思います。容疑者の収入や資産状況を考慮すれば、保釈金は1000万円を超える可能性もあります」
だが、これだけではすまされない。彼を待ち受けるのは、多額の損害賠償請求だ。
「俳優の小出恵介さんが未成年女性との飲酒トラブルで生じた違約金などの損害は約5億円といわれています」(西川弁護士、以下同)
その損害は、電気グルーヴの公演中止をはじめ、ドラマや映画など多岐にわたる。
「損害賠償請求の総額は10億円、30億円と報じられていますが、そのぐらい高額となる可能性はあるでしょう」
莫大な損害賠償請求額からもわかるとおり、仕事量は彼のキャパシティーをこえていたのだ。父・正臣さんも、こう話した。