一方、虐待死による実刑判決は妥当だとする署名活動もインターネット上では展開され、見解は割れている。
被告宅の近隣住民からも「してしまったことは許されないが、残された子どもにとって母親は大切な存在。早く一緒に住めるようになってほしい」(20代女性)、「懸命に育児をしていた状況を考えると、執行猶予付きの判決を出してあげてほしい」(60代男性)という同情的な声がある一方、
「妥当だと思います。1人の命を奪っているのですから……」(40代女性)、「自分の子どもを手にかけたわけですから、もう少し重くてもいいのではないか」(70代男性)
と厳しい指摘も聞かれた。
子育てをする母親の支援活動を行う乳幼児子育てサポート協会の行本充子代表は、
「執行猶予判決を下し、この母親が1日も早く子どもたちと生活できるように支援することが大切だと考えています」
と、今回の判決について語り、育児ママへの協力を呼びかける。
「家族は母親が休息できる時間をつくってあげること。家事は分担する。父親が忙しければ、家事代行などを頼んでください。母親も気持ちをためずに吐き出すこと。子育てに関する無料相談やSNS上で愚痴を吐いたり自分に合った方法を見つけてほしい」
約1年ぶりに、子どもに会うことがかなった松下被告。判決前に通っていた心療内科でうつ病の治療を再開し、子どもたちと生活したいと希望しているという。
3月26日、松下被告は控訴した。