人手不足が今後ずっと社会問題に
高齢化と同様に問題となるのが少子化だ。
「子どもを何人出産するかという以前に、そもそも結婚しない人が多くなっています」
『厚生労働白書』によると、50歳時点で結婚したことのない人は、'15年で、男性は4人に1人、女性で7人に1人。これが'35年になると、男性で3人に1人、女性は5人に1人となると予測されている。
「'20年には女性の半数が50歳以上となって出産可能な女性が減るうえ、未婚率も上昇するわけですから、少子化にますます拍車がかかり、若い人がどんどん減っていきます。これから先、人手不足はずっと社会問題となっていくことでしょう」
公的機関で人手が足りなくなれば、公的サービスが行き届くのかといったことも心配に。
「すでに、物流での人手不足は深刻化しつつあって、今までのような便利な社会を機能させることそのものが危うくなっています」
人口減少とともに、店は統廃合されるようになり、ネットショッピングが頼みの綱となるが、それさえも物流が滞ると快適な利用は困難に。'20年には、食料品や日用品の調達に苦労する「買い物難民」が続出するかもしれない。
また、意外なところでは、ガソリンスタンドも採算が合わず撤退する地域が増えて、車の給油や冬の灯油の調達にも困るケースが増えていくという。'25年には、冬の寒さに凍える灯油難民地帯が各地に広がる、と河合さんは予測する。
少子高齢化で年金制度や医療制度を支える世代が減るとなると、自分たちの老後も心配。
いつから、どんなふうに考えたらいいのだろう。
「早めの対策が必要です。50代のうちから考えておきたいですね。1度、ライフプラン表(自分や家族の「未来の年表」)を書いてみることをおすすめします。何年に何歳になって、収入や支出がどのくらいになるか、予測しながら記入していくのです。
それで、節約すればなんとかなるのか検討する。それでも足りないなら、夫婦でさらに働いて今から貯める、老後も働き続ける、といった覚悟が必要になります」