「現役時代は、勝つことばかりにこだわっていました。今はそういった重圧からも解き放たれて、ちょっとは優しい顔になってきたのかな(笑)」
今年1月に現役を引退した元女子レスリング世界王者の吉田沙保里(36)が、4月から朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の金曜日メインパーソナリティーに。
「アスリート時代も朝が早かったので、もともと朝には強いんです。木曜は夜10時に就寝して、当日は朝3時半起き。5時からの打ち合わせに向けて、4時に現場に入ります」
初めての出演から約1か月。最初は寝つけないほど緊張していたというが、
「本番前に念入りに打ち合わせをしていますし、スタッフの方もフォローしてくださるので、安心して本番に臨めています。最近はだいぶ要領や流れもつかめてきて。今はとっても楽しいです!」
と笑顔を見せる。放送後には、母親とこんなやりとりが繰り広げられているとか。
「母親から“今日はこうだったね”“ちょっと噛んだね”って連絡が来るんです。“じゃあ自分でやってみて?”って返すのが恒例(笑)。でも毎回見てくれて、なんだかんだ励みになっています」
時間にも心にも余裕ができた
最近ではコーチ業に加え、タレント活動にも力を入れている。この33年間、レスリングひと筋だったが、引退して生活は変わった?
「練習しなくてよくなったので、自分の時間ができました。あとはやりたいことができる。これまではケガをしちゃいけない、ごはんもしっかり食べなきゃいけない、毎回の練習をどうこなすか、睡眠は……など、考えることが多かったんです。ドーピングに引っかからないよう、薬も自由に飲めなくて。そういったことを考えなくてよくなったぶん、時間にも心にも余裕ができたと思います」
その心の変化は、いよいよ来年に迫った東京オリンピックに対しても。
「選手のときは“あと1年2か月しかない”とか残りの日数をかなり意識していました。今は“楽しみ”と言える余裕ができたというか。コーチにもなっているので、オリンピックはもちろん、スポーツ全体を盛り上げていきたいです。それこそ『ZIP!』のお仕事を通してスポーツの楽しさを伝えられたら。“忙しくなって大変だね”と言われているうちが花。与えられた仕事を全力でこなしていきたいです」
『ZIP!』(日本テレビ系)
毎週月曜日~金曜日、朝5時50分より放送。吉田は金曜日のレギュラーとして出演