意外に歴史は長かった!男性声優ブーム年表
実は声優ブーム自体は以前からあり、現在は「第4次」とも、「第5次」とも言われている。
'60年代にテレビが一般家庭にも普及し、吹き替えの洋画や海外ドラマがお茶の間で親しまれるようになった。それにともない「あの声を演じているのは?」という視聴者の疑問から、声優の仕事の認知度は高まったともいえる。その後、アニメが普及して再び声優がスポットを浴び、現在に至る。令和を迎え、声優業界はどう進化していくのか。※敬称略
【'60年代】■第1次声優ブーム■
洋画吹き替え声優への注目度が上がり、声優の認知度が上がる。フランス俳優のアラン・ドロンの吹き替えを担当した野沢那智は多くの女性たちを魅了し、ラジオDJとしても人気を博した。
【'70年代】■第2次声優ブーム■
『宇宙戦艦ヤマト』などの人気でアニメの声優にスポットが当たる。野島昭生、曽我部和恭、古川登志夫、古谷徹、神谷明、三ツ矢雄二、鈴置洋孝といった人気声優が所属した「スラップスティック」というバンドユニットが話題に。アルバムの発売やコンサートツアーも行った。また、アイドル的人気のあった水島裕はクイズ番組やバラエティー番組などでタレントとしても活躍。
【'80年代】
『聖闘士星矢』などの人気キャラクターの声優陣が注目を集めるようになる。なかでも人気アニメ『鎧伝サムライトルーパー』の主要声優である草尾毅、竹村拓、佐々木望ら5人で結成された声優ユニット「NG5」は、女性ファンから絶大な人気を獲得。ライブ活動も行った。
【'90年代】■第3次声優ブーム■
'94年に初の声優雑誌が創刊される。『ガンダムW』に出演していた緑川光や子安武人が、作品のキャラとともに注目を集め男性声優のアイドル化が進んだ。その流れをくみ2001年には子安武人プロデュース・主演の実写乙女ゲーム「Darling」が発売された。
【'00年代】■第4次声優ブーム■ ※諸説あり
'90年代後半〜'00年代にかけて深夜アニメブームが到来。アニメ作品数が増え、小野大輔、神谷浩史、宮野真守など若手男性声優も続々登場。本人名義での歌手活動など、マルチに活躍。
【'00年代後半】
バンダイナムコアーツのレコードレーベル・ランティスには、男性声優アーティスト専門レーベル「Kiramune」を設立。男性声優のアーティスト活動が活発化。
【'10年代】■第5次声優ブーム■ ※諸説あり
アニメ作品のDVDやブルーレイディスク発売イベントの増加や、声優のアーティスト活動が活発化し、声優が身近な存在に。
主に女性向けのアニメ情報を主体としたアニメ雑誌『PASH!』と、そのスピリッツを持ちながら作られた声優マガジン『Cool Voice』の編集長。アニメと声優の魅力を世に紹介し続けている。
『Cool Voice Vol.30』(5月31日発売予定 主婦と生活社刊 税込み1512円)
表紙・巻頭特集:古川慎&石川界人(ワンパンマン)、Wカバー特集:下野紘&蒼井翔太(劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム)
(取材・文/清談社)