お茶の水博士役で知られる勝田久さんや、いわずと知れた野沢雅子さんなど、名だたるベテランを身近で見て来た森川さんだからこそ、「いくつになっても現役で活躍できるプロになってほしい」と未来の声優に思いを託す。今後、挑戦してみたいことは?
「自分の経験を若い子に伝えていく。そして僕らの先輩がそうであったように一語一語に対する意識を高く持って、美しい日本語を残していきたいなと思っています。
それは、言葉を生業(なりわい)にしている僕らだからできることじゃないかな」
言葉に携わってきたプロの矜持(きょうじ)……まさに帝王の美学!
Q&A
Q.子どものころの夢は?
A.学生時代はアメフトをやっていて、体育教師に憧れていました。結局、実際にはなれなかったけれども、教師でも警察官でも、どんな職業にもなれるのも声優の魅力だと思います。
Q.初めての出演作品は?
A.外国人向けの日本語教材のナレーション。意外と地味な仕事が多い印象でした。
Q.尊敬する人は?
A.たくさんいますが、しいて挙げるなら野沢雅子さん。家が近所だったこともあって、よくご自宅で教えてもらっていました。この業界のお母さんのような存在です。
Q.声優になったきっかけは?
A.高校3年のときに、首の骨を折る大ケガを負ったこと。今後の生き方を見つめ直して、声が大きいことを活かせる職業に就きたいと思い声優の養成所に入りました。
PROFILE●もりかわ・としゆき●アクセルワン代表取締役。声優養成所アクセルゼロも運営。トム・クルーズやキアヌ・リーブスの吹き替え、『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役、ディズニー映画『ズートピア』ニック役、NHK『世界で1番美しい瞬間』ナレーションなど多数。
(取材・文/清談社)