「不倫」の形態も変化してきた。
既婚男性と独身女性というかつての組み合わせから、それぞれ家庭のあるダブル不倫へ。そして誰にも知られないように腐心してきた関係だったはずの不倫が、知られてもかまわないといった「公然不倫」へと。小泉今日子が不倫交際を堂々と認めたのは昨年春だった。
CASE1 ユウカさん(43)の場合
大学時代の元カレと再会、互いに家庭がありながら付き合うようになって3年たつユウカさん(仮名=以下同・43)。共働きで14歳と12歳の子を育てているが、実母と同居しているため、「残業」と偽って遅い帰宅も許される環境だ。
「5歳上の夫は悪い人ではないけど、ことなかれ主義。母がいるせいもあるのか、問題からは逃げるタイプですね。表面的にはうまくいっているので、これが幸せというものだと私も思っていた。だけど元カレに再会したとき、身体じゅうに電流が走ったような気がしたんです」
彼のことは大好きだったのに、大学を卒業してから別の道に進んで疎遠になってしまった。
「それで彼への思いがより濃くなっていたんでしょうね。一気にあのころの自分たちに戻ってしまったんです」
お互いに家庭を優先させようと決めながらも、会いたい気持ちが募り、再会当初は毎日のように会っていた。今も週に1度はベッドをともにする。彼とのセックスは、夫との穏やかなそれと違い、刺激に満ちているという。
「彼は昔より性的にずっとオープンになっていました。きっといろいろな女性と付き合ってきたんでしょう。意外な体位で攻められたりグッズを使ったり。今まで知らなかった快感に目覚めてしまいました」
身体だけではない。彼となら会話も弾む。ときどき一緒に行くバーでは、仲よくなった常連さんたちから「夫婦」だと思われている。
「バーのマスター夫婦と常連さんたちとでバーべーキューをしたり花見に行ったりすることもあるんです。彼も私も下の名前で呼ばれています。マスターはなんとなく勘づいているみたいだけど、別に何も言わない。むしろ見守ってくれているような気がしています」
自分たちから不倫カップルだとは言わない。誰にも聞かれないだけ。ただ、もし聞かれたら、「恋人関係だと宣言してもいいよ」と彼は言っているそうだ。
女性たちが「恋愛と結婚は別」と言い始めて久しい。従来の「倫理観」が通用しない時代がやってきているのだ。