──その多忙ぶりからメンバーの間にピリッとする空気が生まれることはなかったのだろうか。
高見沢「ないですね。いつもふわっとです(笑)。忙しくても忙しいなりにふわっとしている。音楽的にもマインド的なことでも、もめたことがないですから。正直、危機ってないんですよ。だから、僕らにしたら続けること自体はそんなに大変なことじゃない」
坂崎「続けるという選択肢しかなかったですからね。常に次の仕事が入ってたし(笑)」
休みなく続けているツアー
実は、のどの不調やケガが
──’82年から1度も休むことなく毎年ツアーを続けている3人。それでも、ツアー中にのどの不調やケガを経験している。
坂崎「のどは、意外とそれぞれありますよ。(痛めた人の)負担を減らすとか、(トークタイムで)話さないとか工夫して」
桜井「ライブは絶対にやる。“ショウ・マスト・ゴー・オン”だからね。僕らは(ボーカルが)3人いるからできる。1人だったら45年は無理だね」
坂崎「ステージで筆談したこともありますよ」
高見沢「僕もありました。(筆談用の)ホワイトボート買ってマネージャーに伝えたいこと書いたら、マネージャーもボードに書きだしたわけ。“お前は書かなくていい! のど痛めてないんだから”って自分がしゃべっちゃったよ(笑)」
坂崎「高見沢の指の骨折のときは……」
桜井「あれも、大変だったな。ツアー直前に闘牛でね」
高見沢「ギタリストは闘牛やっちゃダメですね(笑)。バラエティー番組でつい張り切っちゃって」
坂崎「あのときは、(ギターを弾けない)高見沢がハンドマイクで歌って」
桜井「坂崎も指、骨折したことあったよな」
高見沢「足の小指だっけ?」
桜井「そうそう! 駐車場の段差でコケて」
坂崎「体重かかっちゃったんですよ。この重たい体重が(笑)」
桜井「俺も背骨にヒビが入ったことがあったな。(ライブ中のトーク部分で)バナナを踏んでコケるというコントがあって。毎日、ちゃんとやっていたんですけど、その日は坂崎も一緒にダブルでコケようという話になって。
──いつもとは違う場所でコケたら両足が上がって、背中からドンと落ちて。痛いなと思いながら、その夜は飲んで」
高見沢「飲まなくていいよ(笑)」
桜井「翌日、レントゲンを撮ったら、ヒビが入ってました」
坂崎「こんだけやっていれば、いろいろありますよ。ただ、大病がないんですよね。おかげさまで。入院することがない」
高見沢「丈夫に産んでくれた親に感謝だね」
桜井「本当に3人とも親に感謝してるね。健康だから、ここまで続けてこられた」