契約書がないという大問題
宮迫らに続き、お笑いコンビ・スリムクラブも暴力団関係者の会合に出席していたとして、無期限の謹慎処分に。前出のお笑い芸人は、
「ソッチ系は金払いもいいし、おひねりも多いですね。“兄ちゃん、稼いでねーのか”とか言って、パッと1万円くれたり。暴力団だってわかっても帰れないですよ。帰ったらどうなるかわからないし、呼んでくれた人に迷惑がかかるし。あとマルチ商法やネットワークビジネス系の闇営業もよくありますね」
今回の騒動では、主に芸人たちが非難されているが、管理側である事務所に落ち度はないのか。ある吉本関係者は、今回の騒動の参加者について次のように語る。
「ガリットチュウの福島善成さんも参加していましたが、彼は自身の力で仕事を取ってこれるから、事務所から離れようとしていました。“干してくれていい。契約がなくなっていい”とまで言っていた。すると事務所から“ほかの芸人に示しがつかないからやめないでくれ。闇営業を好きにやってもいいから”と言われたんです。そしたらこんなことになって……」
『SMAPはなぜ解散したのか』などの著書がある武蔵大非常勤講師の松谷創一郎さんも管理責任について、
「現在、吉本は6000人のタレントを抱えているといいますが、その人数をケアできる体制がまったく整っていない。古い体制のまま膨れ上がって機能不全になっている。この人数を抱えるのであれば、きちんとマネージメントできる社内体制を整えるのが筋です。また、契約書がないことも大問題。
吉本はギャラが安いといいますが、割合はともかく、契約書がない時点でその取り決めすらできていないわけです。契約書はトラブルを防ぐためにあるもので、それがないのは致命的」
闇営業はなくならないのか。吉本は、「今後はコンプライアンスを徹底する」という“決意表明”をマスコミ各社に送付したが、それについても松谷氏は苦言を呈する。
「問題は吉本の体制にあるわけです。それに対して“是正するためにこうします”などのロジックがまるでなく、ただ“頑張ります”というような文書でしたね。感情や勢いで解決する問題ではないですから。マネージメントの人数を増やすとか、きちんと契約書を結ぶとか、ギャランティーの割合などそういった部分を具体的に是正しなければ何も変わりません。きちんとした第三者委員会を立ち上げて問題をクリアにしなければ、何も解決しないでしょうね」
闇はまだ続きそう……。