「時間がたつにつれて、僕の中でも、協会としても、その存在は大きかったという思いが強くなりました。どこかで見てくれているでしょう」
6月27日、『公益社団法人落語芸術協会』の6代目会長の就任会見で、そう語ったのは落語家の春風亭昇太。彼が話していたのは、昨年7月2日に『慢性閉塞性肺疾患』のため亡くなった桂歌丸さんのこと。
歌丸さんが亡くなってからちょうど1年、空席となっていた会長職を昇太が引き継いだのだった。
『笑点』(日本テレビ系)に約50年も出演するなど、国民的落語家だった夫に先立たれた妻にも、変化があったという。
「歌丸さんが亡くなってからは、しばらく奥さんも落ち込んでいたのですが、最近はだいぶ元気を取り戻していますよ。5月下旬に“うちに遊びにおいで”と、連絡もいただきました。
今はひとり暮らしをされていますが、近々、引っ越すそうです。ご高齢なので、娘さんとご一緒に生活されるのかもしれませんね」(近所住民)
商店街の一角に“記念館”を
歌丸さんの一周忌を迎え、妻だけではなく、地元・横浜にある『横浜橋通商店街』も新たな動きを見せている。
「歌丸さんは生前、この商店街の名誉顧問を務めており、歌丸さんの写真を使った垂れ幕が、商店街のあらゆる箇所に掲げられているんです。歌丸さんは、本当に地元で老若男女から愛されていて、亡くなってから1週間で、約1万人の方が献花にいらっしゃいました。
そういった経緯もあり、一周忌を迎えた7月に約1週間、商店街事務局内で、歌丸さんが使っていた着物や下駄、扇子などの私物を展示します。観光客や買い物客を対象に、展示する予定です」(横浜橋通商店街の関係者)
生前の愛用品を、直に見られる貴重な機会なんだとか。
さらに、同商店街では歌丸さんにまつわる“マル秘プロジェクト”も進行中だという。
「実は、商店街の一角に歌丸さんのグッズを半永久的に展示する“記念館”を建設する予定なんです。すでに土地は確保しており、7月中旬から着工のために動き出す見通しで、早ければ今秋に完成予定です。この記念館を通して、歌丸さんのことだけではなく、日本固有の落語という文化を、外国人の観光客にも知ってもらいたいという狙いもあるんです」(同・商店街関係者)
この記念館プロジェクトで、地元の商店街が“大入り”になれば、天国の歌丸師匠も安心なはず!