「京都であんなひどいことをして、亡くなった方もご遺族も本当に気の毒ですよ。でもあれほど暴力的ではなかったと思うんです、少なくともここにいたころは気の小さい人だったんです」
容疑者が約4年間暮らした茨城県内の雇用促進住宅の元管理人が明かす。
6人の異母きょうだい
2019年7月18日、京都市伏見区のアニメ制作会社『京都アニメーション(以下『京アニ』)第1スタジオで35人が死亡した放火殺人事件で、全身をヤケドして重篤な状態が続いている青葉真司容疑者(41)。凄惨な事件から8日たって容疑者の意識が回復したという。
「意識が回復して動機がわかったところで何だというのか。小説を盗まれたから、なんていう妄想を聞いたところでなんの解明にもならない。容疑者の心の奥底を解明しないことには第2の事件を防ぐこともできない」
亡くなった被害者の友人女性が憤る。
現場近くの防犯カメラは、ぴちぴちの赤シャツを着た大柄な男が無表情で台車を押している不気味な姿をとらえている。
多くの命を一瞬にして奪ったモンスターは1978年春、茨城県で生まれた。
「お父さんがモテる人でね。前妻とのあいだに6人も子どもがいたんだけれど、その子どもが通う幼稚園の保育士とデキちゃって、駆け落ち同然で妻子を捨てた。それで生まれたのが真司ら3人きょうだい。2歳上の兄と1つ下の妹がいる」(地元関係者)
その後も“モテる”父はオンナ遊びを繰り返し、ほどなくして両親は離婚。青葉容疑者ら3人きょうだいは父親に引き取られることに。埼玉県に移り住んだ一家は、浦和市のアパートの1階に居を構えた。
当時を知る保護者は、
「アパートの窓や鍵がいつもあいていて不用心だなと思っていました。きょうだい3人で学校の校庭なんかでよく遊んでいましたよ。お母さんの姿は見かけないし、今でいう放置子だったのでしょうか。なんか少しかわいそうな感じのする子たちでしたね」