そこでのおさむ氏の発言をまとめると、

・離婚率が高いなか、わざわざ結婚するなら「想像できない結婚」がしたかった
・大島に対して、恋愛感情は昔も今も持っていない
・けれど、芸人としての大島をリスペクトしている
・親の死など、つらいことを一緒に乗り越えていくと、恋愛感情などどうでもよくなる

 というように、結婚に必要なのは「ドキドキする恋愛」ではなく、尊敬や信頼だと話しています。実際に円満な夫婦生活を送っているおさむ氏の言うことだけに、説得力があります。

 しかし、その一方で、おさむ氏の“差別意識”のようなものを感じずにはいられないのです。

なぜ、おさむ氏だけがイケメンポジションに昇進?

 13年前のドラマで、おさむ氏を演じたのはSMAP(当時)の稲垣吾郎、今回はEXILE・NAOTOだそうです。どうして、おさむ氏の役をイケメン俳優が演じるのでしょうか? なぜ、おさむ氏と似た風貌の人ではいけないのでしょうか?

 モデルやアイドル、女優、俳優など外見でお金を稼ぐことができる人を、美女、イケメンと定義しましょう。これ以外の人はフツウ、もしくはブサイクと仮定します。このルールで考えると、おさむ氏や大島はイケメンや美女には該当しません。しかし、このふたりの職業は放送作家、お笑い芸人ですから、イケメンや美女である必要はなく、なんの問題もありません。

 しかし、ドラマではおさむ氏だけがイケメンというポジションに昇進し、大島はブスポジションのまま。もしかすると、おさむ氏が高年収なので、イケメン枠に出世させたのかもしれません。年収が高いことは、イケメンと同じくらい、恋愛や婚活にプラスに働く要素だからです。

 が、年収ということで考えれば、大島も売れっ子ですから、高年収と言えるでしょう。つまり、おさむ氏と大島は、美を必要としない職業に就いて成功し、高年収を得ているという意味では、社会的な立ち位置はほとんど同じはず。

 それにもかかわらず、ドラマでは、おさむ氏だけがイケメンポジションに出世した。これは、おさむ氏もしくは制作側が「オトコはカオではないが、オンナはカオがすべて」「イケメンとブスがくっつくことはありえないので、主人公をイケメンにしたほうが“いい話”になる」と思っていることの裏返しなのでないでしょうか?