そして、宗太郎さんは、薫さんの過去の恋愛を聞いてきたのです。薫さんは、言いました。
「私は、これまで1人の方と長く続いたことがなくて。最長でも1年くらいのお付き合いでした。婚活を始めてからも、1度か2度、お目にかかると交際終了になってしまう方が多くて」
この薫さんの言葉に、宗太郎さんが言ったのです。
「そうですか。恋愛は、とっかえひっかえだったのですね」
薫さんは、私に言いました。
「とっかえひっかえって、何だか私が男性から男性へと渡り歩いてきたみたいじゃないですか! 私は、お付き合いをする男性とは真剣に向き合ってきましたし、婚活を始めてからは、なおさらその気持ちが強くなりました」
真剣になりすぎるからこそ、相手をジャッジする目が厳しくなって交際が長く続かなかったのかもしれません。きまじめな薫さんにとって、“とっかえひっかえ”と言われたことは、憤慨の極み。まさに地雷でした。
言ってしまった言葉は取り消せないから
昨今、政治家の失言もよくニュースになっています。身内が集まるパーティーなどで気が緩んでいて、ご本人はまったく悪気がなくポロリと言ってしまった。その失言のために議員辞職に追い込まれた方もいらっしゃいます。
婚活シーンでも、ご本人にはまったく悪気なく話した言葉がアダとなり、命取りになることもあります。
言ってしまった言葉は取り消せません。失言を避けるには、どうしたらよいのか。まずは、お見合いの席では、“お相手への共感”を心がける。そして、婚活シーンだけでなく、その言葉を使うことで相手がどう感じるかを、普段から気にかけながら生活する。それだけでも失言は減ると思います。ただ、完璧な会話ができる人なんていませんから、失言したことに気づいたら、その場ですぐに謝ることも大事ですね。
一方で、お相手の失言にいちいち目くじらを立てていないで、笑い飛ばせる器の大きさを持つことも大事です。小さなことに腹を立てている人りも、おおらかでなんでも笑い飛ばせる人に、よいご縁は巡ってくるのですよ。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/