ひざを使わずに腕だけでシュートをする
「会場で感じるタイヤのゴムのにおいやキュッキュッという音など、車いすに乗っていても、まさにバスケだなという感じです」
息つく暇もないスピード感のある試合を繰り広げるバスケットボールだが、それは車いすバスケでも健在のようだ。
コートの広さやゴールの高さなど、ルールはほぼ一緒だというが、
「ほかに大きく違うのはコートにいる選手5人の障がいの程度に、だいぶ差があるということです。障がいの程度によって、持ち点が決められているのですが、コートの中にいるプレーヤーの合計点を14点以下にしなければいけないんです。
自力で立って歩くことができる選手もいれば、障がいが重くほとんど動けない選手もいる。それでも、持ち点の中でいちばんうまい選手が出場しているんですよ。
“あの選手は障がいが重いのにいい動きするな”とチームの戦略まで考えるとすごく楽しめる」
障がいの程度によって車いすの背もたれの高さも違うという。腹筋が使えない選手の場合は姿勢を維持できず後ろに倒れてしまうためだ。
「また、みなさんにもぜひ試してみてもらいたいのですが、ひざを使わずに腕だけでシュートをすること。これ、実はものすごいことなんです。そのシュートがバンバン決まっているのも車いすバスケの魅力のひとつですよね」
同じ車いすの競技では、車いすラグビーも面白いそう。