『PRODUCE 101』が日本上陸

 この9月、韓国のエンターテイメント企業であるCJ ENMと吉本興業、MCIPホールディングスがタッグを組んだサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』の情報が解禁となった。

 『PRODUCE 101 JAPAN』では、101人の若きスターのたまごたちが合宿に参加しながらさまざまなミッションに挑戦し、アーティストとしてのデビューを目指す。韓国で“プデュ”と呼ばれて大人気を誇るサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版だ。

 2016年に韓国でスタートした『PRODUCE 101』では、同年に『I.O.I(アイオアイ)』、2017年『Wanna One(ワナワン)』、2018年に『IZ*ONE(アイズワン)』、そして、2019年には『X1(エックスワン)』というヒットグループを生み出している。この日本版でも、韓国を超える新しいスターの誕生が期待されている。

 今回の『PRODUCE 101 JAPAN』に登場するのは、6000人の応募者の中から書類・実技などの選考を経て絞り込まれた101人の練習生たち。放送に先立ってYouTubeで配信されたパフォーマンス映像では、まだぎこちないながらもそれぞれに自分をアピールし、歌い踊っている姿を見ることができる。

 9月3日の4時に配信された映像『ツカメ~It’s Coming~』は、1日で動画再生回数100万回を突破し、急上昇ランキングでも1位を獲得するところから、注目度の高さがうかがえる

 そしてこの番組の肝なのが、101人の練習生の運命は『国民プロデューサー』と呼ばれる視聴者たちにかかっているということ。詳しい投票期間などは9月25日の深夜0時01分からTBS系列(一部を除く)のテレビ番組にて発表されるが、9月26日以降、毎週木曜日の21時から、ヤフーが提供する無料動画サイト「GYAO!」から投票できるようになる。全12回の模様はすべて同サイトで配信されるが、9月26日の初回と12月の最終回はTBS系列にて地上波でも放送される予定となっている。

日本の元祖オーディション番組といえば

 韓国の『PRODUCE 101』やイギリスの『Xファクター』や『ブリテンズ・ゴット・タレント』、アメリカの『アメリカン・アイドル』など、海外では多くのオーディション番組が存在するが、今回ほどの大規模なオーディション番組が日本で展開されるのは、久しぶりといえる。

 日本でもっとも有名なオーディション番組といえば、やはり1971年(昭和46年)から1983年(昭和58年)まで日本テレビ系列で放送された『スター誕生!』と、1995年(平成7年)から2002年(平成14年)までテレビ東京で放送された『ASAYAN』だろう。認知度も高く、日本の芸能界や音楽界に欠かせないアーティストたちを多く輩出した両番組は、まさに“国民的オーディション番組”であった。

 1971年に放送開始され、10年以上にわたって続いた『スター誕生!』は、“中三トリオ”と呼ばれた森昌子桜田淳子山口百恵をはじめとして、新沼謙治渋谷哲平片平なぎさピンク・レディー小泉今日子中森明菜ら、多くのスターを誕生させた。

 その審査は、会場で観覧している観客とプロの審査員によって行われる。毎週1人、テレビ予選の合格者が選ばれ(該当者なしの週もあった)、3か月に1回、決戦大会が行われるというスタイルだ。

 決戦大会でのパフォーマンス披露後、スカウトを希望するレコード会社と所属事務所がプラカードを上げ、その参加者の所属権を獲得。その後、参加者はスカウトされた事務所やレコード会社に所属する。なかでも桜田淳子には番組史上最多25社のプラカードが上がった。

『スター誕生!』はテレビ予選や決戦大会でのパフォーマンスが主な審査の対象となる、いわば一発勝負スタイルのオーディション番組であったが、まだあか抜けないウブな少年少女たちの歌唱力がプロによって見いだされていく姿を、昭和の日本人は娯楽として楽しんだのだ。

『スター誕生!』(左から)森昌子、桜田淳子、岩崎宏美、ピンク・レディー、司会の萩本欽一
『スター誕生!』(左から)森昌子、桜田淳子、岩崎宏美、ピンク・レディー、司会の萩本欽一