恋愛だって自由でいい
夫婦とは互いを所有し合う関係ではない、と私は考えている。夫婦を「人生のパートナー」と定義するなら、そこにあるべきは「所有」ではなく、自由意思に基づく「共有」であろう。
夫婦は互いに助け合い支え合い分かち合う関係だと思うが、それはあくまで双方の「自由意思」が尊重されることが大前提なのだ。「夫婦だから」という理由で相手に何かを強要したり束縛したりする権利など存在しないと私は思う。
なんなら恋愛だって自由でいいくらいだ(これには多くの異論があろうが、私は本気でそう考えている)。なぜなら「夫婦」は「パートナー」であり、「恋愛相手」ではないからである。恋愛なんてものはしょせん、つかの間の花火だ。そんな一瞬の激情を一生涯にわたって保てというほうが無理ではないか。
たとえ始まりは恋愛であっても、結婚して夫婦というパートナーになった以上、どこかで「恋愛」とは別の「愛情関係」に移行しなくてはならない。
相手を独占し合うことに価値が生じる恋愛より、互いを信頼し相手の自由を尊重しつつ必要なときにしっかりと支え合える「家族愛」を育てることこそが結婚の、そして夫婦という関係性の目的なのではないか。
夫婦は「共同体」なのだ。それは「一心同体」という意味ではなく、どうやっても一心同体などにはなれない他者との共同関係なのだ。
セックスによってつかの間の「一体感」を得ることで「一心同体」の夢を見る恋愛とは違って、まずは相手を他者として認識し尊重することが大事だと思うのである。「恋愛」と「結婚」はまったくの別物だ。